令和2年度施政方針

 

ページ番号1010120  更新日 令和2年3月16日 印刷 

1 予算編成の考え方

 令和2年第1回市議会定例会において、令和2年度当初予算関係議案の ご審議をお願いするにあたり、予算編成の考え方と施策の概要を申し述べ、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力をいただきたいと存じます。
 我が国経済は、雇用・所得環境の改善が進む中、緩やかな回復が続いています。一方で、世界経済の影響により、輸出や生産の一部に弱さがみられる状況にあります。
 政府は令和2年度の経済について、「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」を円滑かつ着実に実施するなど、各種政策の効果により、内需を中心とした景気回復が見込まれるとしています。しかしながら、中国経済の減速、米中通商問題、さらには英国のEU離脱といった問題が世界経済に与える影響、消費税率の引上げに伴う個人消費などの動向が危惧され、景気の先行きは不透明な状況にあります。
 このような経済状況でありますが、今夏には56年ぶりとなる東京オリンピック・パラリンピックが盛大に開催され、本市においてもパラリンピックの聖火リレーを予定しています。このオリンピック・パラリンピックによる経済効果や国の政策効果などにより、地域経済の成長が実感できる景気回復を期待するところであります。
 そうした中で、国の令和2年度一般会計予算は、幼児教育・保育の無償化や医療、介護などの社会保障費が大幅に膨らんだことなどに伴い、過去最大となる102兆6,580億円となりました。
 本市においても過去最大の予算規模となりましたが、経済情勢や国の予算の動向を念頭に、第6次入間市総合計画に掲げる10年間のまちづくりの目標である「みんなでつくる 住みやすさが実感できるまち いるま」の実現に向けて、前期基本計画の各施策に取り組んでいくとともに、行政改革大綱・第1期実行計画を着実に推進してまいります。
 令和2年度の本市の財政状況は、歳入においては市税や各種交付金の増額が見込まれるものの、行政水準を維持し必要な施策を推進するためには、引き続き財源不足が見込まれます。このため、市債を活用し、さらに財政調整基金からの繰り入れにより、不足する財源の調整を図りました。
 歳出においては、事業の必要性、緊急性、優先性などを考慮して編成にあたりました。
 投資的経費では、不老川緊急治水対策事業、道水路整備事業、産業文化 センターホール等改修工事、防災行政用無線デジタル化工事、小中学校における石綿含有煙突用断熱材除去改修工事を始めとする諸工事など、実施計画との整合性に配慮し、限られた財源の有効配分に留意しつつ、市民の安全・安心に資する事業を中心に推進してまいります。
 また、経常的経費では、介護給付事業、障害児給付事業、生活保護扶助といった扶助費の大幅な伸びに対応するとともに、こどもの育ちを切れ目なく支える子ども・子育て支援のさらなる充実に配慮し、「元気な子どもが育つまち」を目指した各種事業を継続発展させてまいります。

2 予算の規模

 令和2年度の各会計別の当初予算案は、ただいま申し上げました基本的な考えのもとに編成したもので、一般会計は、前年度対比4.3%増の439億 5,100万円としました。特別会計は、介護保険特別会計が保険給付費の伸びなどにより増額としましたが、国民健康保険特別会計は被保険者数の減少などに伴い減額としました。また、区画整理事業特別会計は、各事業の着実な推進を図ってまいりますが、事業の進捗状況を踏まえ、3会計全体では減額としました。この結果、特別会計は前年度対比0.9%減の289億 1,333万8千円としました。
 これにより、一般会計と特別会計を合わせた予算総額は、前年度対比 2.2%増の728億6,433万8千円となりました。
 水道事業会計は、前年度対比2.4%増の47億65万2千円、下水道事業会計は、前年度対比1.3%増の35億6,225万8千円としました。

3 歳入の概要

 それでは、一般会計の歳入予算の主なものについて、ご説明申し上げます。
 市税は、景気の動向及び国の経済見通しなどを勘案するとともに、税制改正の内容を踏まえ計上しました。
 地方譲与税及び各種交付金は、前年度の交付実績及び国の「地方財政対策」を勘案し計上しました。
 地方交付税は、自主財源の根幹である市税収入が増額となる中で、前年度実績や「地方財政対策」を参考に、前年度対比18.1%増の17億2,500万円を計上しました。
 国庫支出金及び県支出金は、対象事業などの交付基準により計上しました。
 市債は、臨時財政対策債を見込むとともに、適債事業を十分に精査した上で借入額を設定し計上しました。
 さらに、不足する財源については、財政調整基金から9億6,000万円を繰り入れることにより補てんしました。
 この結果、令和2年度一般会計当初予算案の総額を439億5,100万円とし、歳入の内訳としましては、市税213億1,262万6千円、地方消費税交付金29億5,800万円、地方交付税のうち普通交付税15億 1,500万円、国庫支出金66億8,010万8千円、県支出金34億 3,513万4千円、市債31億3,420万円、その他49億1,593万2千円としました。

4 施策の概要

  続いて、歳出について、第6次総合計画に掲げる施策の大綱ごとに、重点施策の概要を申し上げます。

 始めに、「つながりを大切にしたまちづくり」について申し上げます。

 人権施策の推進については、多様な生き方を尊重するための啓発事業を進めます。また、性的マイノリティへの理解を促進し、同性パートナーシップ制度について検討を進めます。
 男女共同参画の推進については、「第4次いるま男女共同参画プラン」に基づき、男女共同参画社会の実現を目指します。また、引き続き女性の活躍を推進するための事業を展開します。
 コミュニティ活動の推進については、各地域で自主的な運営が進められるように、区長会及び自治会への支援を行い、市民活動団体と共に市民が主役のまちづくりを推進します。また、外国人市民の増加傾向を踏まえ、多言語による情報提供を行い、コミュニティ活動への参加を促進します。
 姉妹都市・友好都市との交流については、国際交流協会と連携して友好 関係の充実に向けた各種交流事業の推進に努めます。

 次に、「学びあいのまちづくり」について申し上げます。

 生涯学習の推進については、市民一人ひとりがライフステージに有効な学びができるように、学習情報の提供や学習機会の充実を図ります。
 学校教育については、さらなる学力の向上と定着を目指すとともに、外国語教育の充実を図るため、小中学校へ教科指導員及び英語指導助手(AET)を配置します。さらに、きめ細やかな教育支援を継続するために、子ども 支援員、介助員及びさわやか相談員を配置し、児童生徒一人ひとりを大切にする教育を推進します。また、オリンピック・パラリンピックの開催に合わせ、埼玉県の学校連携観戦チケットを活用し、次世代を担う子どもたちに 一生の財産として心に残るような機会を提供します。
 子ども未来室事業については、市内全小学校に小中一貫サポーターを配置し、小中一貫教育を推進することにより、学力の向上や中1ギャップの解消を図ります。また、ユニバーサルデザインの視点を取り入れた教育を展開し、誰にでも分かりやすい授業づくりや教育活動を充実するとともに、新たに設置される児童発達支援センターと連携していきます。
 学校施設については、校舎及び屋内運動場のトイレ改修工事を計画的に実施し、児童・生徒が快適で安心して学べる教育環境の向上につながる施設整備を進めるとともに、老朽化している施設の適正な維持管理に取り組みます。
 学校給食については、老朽化した設備の更新などにより、安全・安心でおいしい給食を安定的に提供します。また、自校給食校(小学校)の食器の入れ替えについては、令和2年度で完了します。
 社会教育事業については、人権教育の推進、家庭・地域の教育力の向上に取り組みます。
 放課後子ども教室では、地域住民の参画を得て、就学児童が多様な学習体験が行えるよう全ての小学校区で実施します。
 博物館では、指定管理者と連携して、展示やイベントの充実などサービスの向上を図ります。また、旧石川組製糸西洋館については、一般公開や建物の魅力を活かした事業を実施します。
 図書館では、快適な読書環境の維持管理を図るとともに、市民ニーズや現代的・社会的課題に対応した図書資料の整備を進めます。
 公民館では、市民の学習成果の発表の場として文化祭や各種展覧会・発表会を開催するとともに、高齢者を対象とした事業、健康づくりを推進する事業、子育て支援事業、青少年の体験活動事業などの充実を図ります。また、春休み、夏休みに公民館の会議室を開放する子どもの居場所づくり事業を実施するなど、地域の拠点として居場所づくりに取り組みます。
 生涯スポーツを推進するため、学校、地域及び団体などと連携し、スポーツ、レクリエーション事業の充実を図ります。また、パラリンピック聖火リレーについては、共生社会を実現すべく、人と人、人と社会との新しいパートナーシップを考えるきっかけとなることを目指し、市民とともに取り組みます。
 (仮称)宮寺地区スポーツ広場の完成に向けては、用地取得及び実施設計を着実に進めます。

 次に、「ささえあいのまちづくり」について申し上げます。

 地域福祉については、「第3次入間市地域福祉計画」に基づき、入間市社会福祉協議会などとの連携を図りながら、地域福祉基盤整備や地域福祉活動を進めます。また、認知症など、判断能力が十分ではない方の権利擁護の充実を図るため、法人後見事業を推進します。
 生活支援については、生活困窮者自立支援事業の充実を図り、生活困窮者に対し生活保護に至る前での自立に向け支援します。また、生活保護世帯の自立の助長を図るとともに、適正給付に努めます。
 子ども・子育て支援については、「入間市子ども・若者未来応援プラン」に基づき、施設型給付、地域型保育給付を行うとともに、地域子育て支援拠点の多機能化や学童保育室の整備を計画的に進め、地域子ども・子育て支援 事業を推進します。また、令和元年10月から実施した幼児教育・保育の無償化を引き続き実施し、子育て世帯の負担軽減に取り組みます。
 児童虐待防止対策については、関係機関との緊密な連携により、早期発見、早期対応を徹底するとともに、子どもとその家庭の状況に応じた支援を継続的かつ専門的に実施する体制の整備に取り組みます。
 児童発達支援については、児童発達支援センターを開設し、発達に遅れまたは障害のある児童とその家族に、発達の段階に応じた切れ目ない支援に取り組みます。
 児童センターについては、トイレなどの改修工事を実施し、市民が快適に利用していただくための施設環境を整えるとともに、指定管理者と連携し、乳幼児期の親子支援を推進します。
 高齢者支援については、「入間市第8次高齢者保健福祉計画」に基づき、要援護者等支援事業などを実施し、援護が必要な高齢者の生活の安定と介護者負担の軽減を図ります。また、老人福祉センターは、新たな指定管理者と連携し、サービスの向上に努めます。
 障害者支援については、基幹相談支援センターを中心に相談支援体制の充実を図り、障害者(児)の地域社会への定着と自立した生活を支援するとともに、就労支援センターりぼんを中心に障害者の就労の機会の拡大を図るなど、障害者の就労、職場定着を支援します。また、「第6期入間市障害者福祉プラン(令和3年度~令和5年度)」を策定するとともに、継続性のある障害者福祉施策を推進します。
 健康づくりの推進については、保健師の地区担当制により地域の健康課題の解決に取り組みます。また、「第3次健康いるま21計画」に基づき、地域の特性に応じた健康づくり事業に取り組み、健康な地域づくりを推進するとともに、健康寿命の延伸を目指し、健康診査、がん検診の受診率の向上及び健康教育の充実を図ります。
 初期救急医療体制の整備については、狭山市と協同で一週間を通じた準夜間帯における初期救急患者への診療を引き続き実施します。

 次に、「住みやすく緑豊かなまちづくり」について申し上げます。

 入間市駅前側留保地については、平成20年度に策定した留保地利用計画の見直しにあたり、その前提となる基本方針を策定するとともに、入間市駅南口交通広場と馬頭坂線を結ぶ道路の先行整備に向けて、南口交通広場の基本計画の策定などに取り組みます。
 土地区画整理事業については、「武蔵藤沢駅周辺土地区画整理事業」の早期完成に向けて事業を推進します。                         「入間市駅北口土地区画整理事業」は、北口中央通り線周辺の建物移転や宅地造成工事などを実施します。また、 「扇台土地区画整理事業」は、扇台愛宕公園線周辺の建物移転や街路築造工事などを計画的に推進します。
 道路については、舗装補修事業を「舗装補修計画」に基づき計画的に実施します。また、昨年度に引き続き安川新道線の拡幅用地の取得を進めていきます。
 不老川の浸水被害の軽減を図るため、埼玉県から委託を受けた不老川緊急治水対策事業については、大森調節池拡張部の用地取得を実施するとともに、不老橋、富士見橋の架け替えに向けて必要な用地取得を行い、工事に着手します。
 公園については、(仮称)南沢公園の整備を行うとともに、引き続き、施設の適正な維持管理に努めます。
 コミュニティバス(てぃーろーど及びてぃーワゴン)、路線バスをはじめとする地域公共交通については、「入間市地域公共交通網形成計画」に基づき、引き続き持続可能な公共交通を目指します。
 生活環境の維持と保全については、「第三次入間市環境基本計画」に基づき環境に配慮した事務事業を展開するとともに、単独処理浄化槽やくみ取り便槽から合併処理浄化槽への転換を促進し、生活排水による河川の水質汚濁防止に努めます。また、住宅用省エネルギー設備の設置費用の一部を助成し、地球温暖化対策を推進します。
 廃棄物対策については、ごみの発生を最小限に抑え、ごみの減量・資源化を図るとともに、広く市民などと循環型社会の構築を目指して各種施策を展開します。また、総合クリーンセンター及び最終処分場は、長寿命化のための効率的な修繕及び埋め立て量の抑制に努めます。
 自然環境の保全・活用については、加治丘陵の公有地化に努め、その管理を市民と行政との協働で推進するとともに、(仮称)加治丘陵さとやま自然公園の整備を計画的に進めます。

 次に、「活気に満ちたまちづくり」について申し上げます。

 農業の振興については、農業生産団体を支援するとともに、環境への負荷を軽減する環境保全型農業に資する取り組みを継続して推進します。さらに、認定農業者などによる地域農業の担い手の確保に向けて、関係機関と連携して取り組みます。また、農業に対する市民の理解を深めるため、生産者と消費者の交流活動などを推進します。
 商業の振興については、入間市商工会や商店街などを支援し、地域経済の振興に努めます。さらに、にぎわいのあるまちづくりのため、空き店舗活用創業支援事業を推進します。
 工業の振興については、市内中小企業などへの支援を行うとともに、本市工業の発展を目指して活動している工業会などへの助成を行い、工業振興 活動を支援します。
 雇用の促進については、入間市ふるさとハローワークとの連携や就職面接会の実施などにより地域雇用の促進を図ります。
 中小企業の経営基盤の強化については、中小企業制度融資をあっせんし、中小企業の活力ある活動を支援するほか、入間市商工会などと連携して創業セミナーの開催などの創業支援事業を行い、地域の活性化及び雇用の確保を 図ります。
 観光の振興については、入間市観光協会を支援し、地域資源を積極的に活用して新たな魅力づくりやイベントなどを展開するとともに、これらの情報を市内外に向けて発信します。
 市民文化の振興については、入間市最大のイベントである入間万燈まつりを始めとする各種事業を市民との協働により実施します。また、文化施設の充実、適正な維持管理のために、産業文化センターについて、継続費事業であるホール等改修工事とともにB棟屋上防水工事を実施します。

 次に、「安全で安心してくらせるまちづくり」について申し上げます。

 さまざまな危機に備え、危機管理体制の充実を図ります。
 防災対策としては、昨年の台風災害などの教訓を踏まえ、防災体制を整えるとともに、防災訓練の実施、市民の防災意識高揚のための啓発及び各地区の自主防災会活動の支援を行います。また、防災行政用無線デジタル化移行工事を引き続き実施します。
 消防については、消防力の一層の向上のため、埼玉西部消防組合との連携協力体制強化に努めます。また、非常備消防体制の強化に向けて、引き続き準中型自動車免許等取得に係る補助を行い消防団員の処遇を充実させるとともに、安定した消防団活動のため、女性消防団員を含めた消防団員の加入に繋がる広報活動に努めます。
 空き家等対策については、入間市空き家等対策計画を推進し、必要に応じた行政措置の実施や適切な情報提供に努めます。
 交通安全の推進については、交通死亡事故の撲滅を目指し、関係機関・ 団体と連携し、子どもや高齢者などの交通安全対策に努めます。また、交通安全施設の整備として、道路標示や道路反射鏡などの整備を進めます。さらに、本年度は久保稲荷地区及び扇台地区の一部を中心にゾーン対策事業 (ゾーン30)を実施します。
 防犯対策については、市民の防犯意識の高揚を図るとともに、各防犯関係機関・団体とより密接な連携及び情報共有を図り、地域防犯活動の支援を行います。また、振り込め詐欺など、特殊詐欺は依然として多く発生しており、引き続き、地域防犯活動団体、狭山警察署などと連携し、啓発活動を行います。

次に、「計画の実現に向けて」について申し上げます。

 広報活動として、広報いるま、市公式ホームページ、SNSなどを活用し、市政情報とともに、本市の魅力を積極的に発信します。
 市が保有する個人情報などの取り扱いに細心の注意を払うとともに、情報セキュリティ対策を徹底し、情報セキュリティの確保を図ります。
 国が提唱するスマート自治体の実現に向けて、人口知能「AI」及びロボットによって定型業務の自動化を行う「RPA」を導入し、業務の効率化と市民サービスの向上を図ります。
 選挙については、秋に市長選挙、令和3年3月には市議会議員選挙が執行されます。最も身近な選挙であり、これからの市政の進路を決める重要な機会であることから、期日前投票制度の周知とともに若年層への啓発を推進し、投票率の向上を図ります。
 市民活動団体を支援する中間支援組織と連携し、市民との協働のまちづくりを推進します。また、市民提案型協働事業を継続して実施し、協働事業の推進を図ります。
 行財政運営については、引き続き厳しい状況が続いておりますが、第6次入間市総合計画に基づく各種施策・事業の着実な実施に向けて、限られた財源を有効活用するとともに、財源確保を図ります。
 また、「行政改革大綱・第1期実行計画」の基本理念である「行政サービスの最適化」を目指すため、個別改革進行プランにより行政改革を推進し、安定した行政運営と充実した行政サービスの提供を目指します。
 公共施設については、「公共施設マネジメント事業計画」に基づき、将来を見据えた各施設の再整備・再配置・維持管理について、着実に進めます。また、耐震性能が不足している市庁舎A・B棟及び市民会館・中央公民館の整備計画について、具体的な検討を進めます。

 以上が、施策大綱別の重点施策であります。

5 特別会計・水道事業会計・下水道事業会計予算概要

  次に、特別会計、水道事業会計及び下水道事業会計の概要について申し上げます。

国民健康保険特別会計

 国民皆保険の基盤である国民健康保険制度は、その制度を持続可能なものとするための改革が行われ、平成30年4月に都道府県が市町村と共同の保険者となった国保広域化から3年目となります。しかしながら、依然として、国民健康保険制度は「年齢構成が高く医療費水準が高い」、「所得水準が低く保険税の負担が重い」などの課題を抱えています。
 令和2年度の国民健康保険特別会計の予算規模は、被保険者数の減少などから、前年度対比4.9%減の144億7,403万9千円としました。
 歳入については、国民健康保険税は、被保険者の減少などに伴う減収の見込みから、前年度対比0.6%減の30億7,077万3千円としました。また、一般会計繰入金については、前年度対比26.1%減の6億2,440万6千円となりました。
 なお、令和2年度の税率改定については、国保広域化後の動向に不透明な部分があることなどから見送ることとし、財源不足については、国民健康保険財政調整基金より1億9,700万5千円を繰り入れ、調整を図りました。
 歳出については、保険給付費は一人あたり医療費が増加しているものの、被保険者数が減少していることから、前年度対比3.6%減の103億6,824万1千円を見込みました。また、県が行う国保運営に要する費用の市負担分である国民健康保険事業費納付金については、前年度対比8.5%減の37億9,491万9千円を計上しました。
 今後も県と連携を図りながら、安定的な事業運営に努めてまいります。

後期高齢者医療特別会計

 後期高齢者医療制度は、平成20年4月の制度開始から12年が経過し、広く市民に定着した制度となり、安定的な事業運営がなされています。特別会計の内容は、市が収納した保険料などを広域連合納付金として支出するのが主な事業となっており、令和2年度の予算規模は、前年度対比6.6%増の19億6,459万円としました。これは、高齢化の進展に伴う被保険者の増加と、令和2年度が2年に1度の保険料改定の年度に当たることが主な理由です。

介護保険特別会計

 介護保険制度は、制度開始から20年が経過し、制度に対する市民の理解も深まっています。しかしながら、急速な高齢化が進む中、介護サービス 利用者の増加とともに、給付費も年々増加しています。こうした現状を踏まえ、「第7期介護保険事業計画」に基づき、介護保険制度の持続可能性を維持しながら、明るく活力ある高齢社会の実現に向けて、介護サービスの充実を図ります。
 令和2年度の予算規模は112億1,970万9千円で、前年度対比 4.9%増としました。これは、要介護認定者の増加に伴い、保険給付費を前年度対比5.2%増の105億5,484万1千円としたことが主な理由です。
 地域支援事業では、要介護状態などになることを予防するとともに、要介護状態などとなった場合においても、住み慣れた地域でいつまでも自分らしく生活できるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供され、高齢者を地域で支えていく地域包括ケアシステムの深化・推進を図ります。具体的には、市内9ヶ所の地域包括支援センターを核として、「入間市高齢者等地域ネットワーク推進会」などとの連携を図りながら、引き続き「介護予防・日常生活支援総合事業」、「在宅医療・介護連携推進事業」、 「生活支援体制整備事業」、「認知症総合支援事業」、「地域ケア会議推進事業」を中心に取り組んでまいります。

武蔵藤沢駅周辺土地区画整理事業特別会計

 武蔵藤沢駅周辺の市街地整備を目的とした本事業は、昭和62年3月に事業認可を受けて以来、建物移転、街路築造工事などを行い、事業も終盤を迎えています。
 令和2年度の予算規模は、前年度対比33.9%増の2億1,150万円としました。主に、道路補修などの工事及び換地処分に向けた業務委託を実施します。既に、道路整備及び建物移転率100%であるため、令和3年の換地処分を目標に計画的に事業を推進します。

入間市駅北口土地区画整理事業特別会計

 入間市駅北口周辺の市街地整備を目的とした本事業は、平成12年7月に事業計画変更の認可を受けて以来、逐次仮換地指定を行い、建物移転、街路築造工事などを実施しています。
 令和2年度の予算規模は、前年度対比32.4%減の4億8,550万円としました。主に、北口中央通り線周辺の建物移転や宅地造成工事などを実施します。これにより、令和2年度末における建物移転率は70.5%になる見込みです。

扇台土地区画整理事業特別会計

 扇台地区の市街地整備を目的とした本事業は、平成5年9月に事業認可を受けて以来、逐次仮換地指定を行い、建物移転、街路築造工事などを実施しています。
 令和2年度の予算規模は、前年度対比0.4%増の5億5,800万円としました。主に、扇台愛宕公園線周辺の建物移転や街路築造工事、汚水管布設工事などを実施します。また、仮換地指定についても計画的に行います。これにより、令和2年度末における建物移転率は35.8%、道路整備率は44.6%になる見込みです。

水道事業会計

 水道事業は、「入間市新水道ビジョン」に基づき、水道施設の維持管理や 更新を適切に行うとともに、効率的で安定した事業経営を確保するための 取り組みを進めます。
 また、水道事業と下水道事業を統合した組織体制の利点を活かし、より効率的な事業の推進に努めます。
 業務予定量は、給水戸数6万8,400戸、年間総給水量1,650万7,920立方メートル、一日平均給水量4万5,227立方メートルとしました。
 収益的収入は、前年度対比0.7%増の31億9,880万9千円とし、このうち水道料金については、使用者の節水努力や節水機器の普及などによる水需要の変化を踏まえ、近年の動向から26億2,818万7千円としました。
 収益的支出は、前年度対比2.9%増の29億5,077万円とし、水道料金の徴収業務、鍵山浄水場などの管理、県水の受水、漏水調査及び修理、量水器の検針及び取り替えなどを行い、安全でおいしい水づくりを推進します。なお、消費税及び地方消費税を除いた収益的収支については、当期純利益1億997万8千円を見込んでいます。
 資本的収入は、企業債や区画整理事業区域内における配水管工事負担金などを見込み、前年度対比38.8%増の7億4,490万4千円としました。
 資本的支出は、前年度対比1.5%増の17億4,988万2千円を見込み、配水管の布設及び布設替工事を行うなど、管路の更新を計画的に実施します。なお、資本的収支の不足額10億497万8千円については、過年度分損益勘定留保資金などで補てんをします。

下水道事業会計

 下水道事業は、「入間市下水道事業中長期経営計画」に基づき、下水道施設の維持管理や更新を適切に行うとともに、効率的で安定した事業経営を確保するための取り組みを進めます。
 また、下水道事業と水道事業を統合した組織体制の利点を活かし、より効率的な事業の推進に努めます。
 業務予定量は、水洗化戸数5万7,095戸、年間総排水量1,628万立方メートル、1日平均排水量4万4,603立方メートルとしました。
 収益的収入は、前年度対比0.5%増の24億6,666万1千円とし、このうち使用料収入は、使用者の節水努力や節水器具の普及などによる水需要の変化を踏まえ、近年の動向から14億8,458万9千円としました。また、一般会計からは、雨水整備などにかかる負担金として2億5,027万円、使用料収入などで不足する財源を補助金として2億4,973万円、合わせて5億円を繰り入れます。
 収益的支出は、前年度対比0.2%増の23億3,055万2千円とし、荒川右岸流域下水道維持管理負担金を見込むほか、下水道施設の維持管理や入間市下水道ストックマネジメント計画に基づく管路施設調査などを実施します。なお、消費税及び地方消費税を除いた収益的収支については、当期純利益1億307万4千円を見込んでいます。
 資本的収入は、企業債3億5,670万円や国庫補助金900万円などを見込み、前年度対比38.8%増の3億9,748万1千円としました。
 資本的支出は、前年度対比3.4%増の12億3,170万6千円とし、企業債の償還金を見込むほか、建設改良事業として管渠布設工事や管渠更生工事、入間市下水道総合地震対策計画に基づく耐震診断及び耐震化工事などを実施します。なお、資本的収支の不足額8億3,422万5千円については、過年度分損益勘定留保資金などで補てんをします。

 ただいま申し上げましたとおり、令和2年度は少子高齢化の進展に伴う社会保障関係費の増加や、公共施設の老朽化による施設修繕などの経費の増加により、本市の財政状況は厳しさを増しており、楽観できる状況にありません。
 このような状況を好転させるためにも、第6次入間市総合計画・前期基本計画、入間市行政改革大綱・第1期実行計画及び入間市まち・ひと・しごと創生総合戦略の取り組みをさらに加速させ、市民の皆様に満足していただけるまちづくりを目指してまいります。
 また、多様な市民ニーズや行政課題に柔軟に対応できる市役所にしていくため、民間活力やICTの活用、業務の効率化などの推進、選択と集中による効率的な行財政運営を実施していくことはもちろんのこと、真の働き方改革に取り組むことが不可欠であるため、今まで以上のリーダーシップを発揮し、持続可能な市政運営に取り組んでいく所存であります。
 こうした重点施策を確実に推進するためには、議員各位並びに市民の皆様のご協力が必要不可欠であります。引き続きご指導、ご協力をお願い申し 上げます。
 なお、この施政方針によりまして、議案第34号から議案第42号までの提案理由の説明に代えさせていただきます。


令和2年2月18日

入間市長 田中 龍夫

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