入間市行政改革長期プラン 明るい将来をささえる行政経営に向けて
行政改革の必要性
入間市は、30年以上も前からごみ収集業務を民間委託するなど、他市に先駆けて行政改革を積極的に推進し、歳出の削減に努めてきました。昭和60年に行政改革大綱を策定し、平成8年度と14年度にその見直しを行い、業務委託等による経費の節減を図ってきました。特に平成14年度以降は一般行政職員の新規採用を控えることで職員数の削減にも努めてきました。
しかし、地方自治体を取り巻く環境は大変厳しく、これまでの慣例や手法だけでは健全な行政運営を行うことが困難になってきました。このような事情から平成17年11月に「入間市行財政緊急改革プラン」を策定し、18年度の緊急改革を実施したところです。
市の財政の今後10年間を予測すると、一般会計の歳入は、単年度で310億円から320億円程度と見込まれます。これに対し、歳出は330億円から340億円程度が見込まれ、毎年10億円から20億円程度の財政不足が生じることになります。
したがって、長期的な視点に立った行政経営体としての改革が必要になっています。
入間市を取り巻く環境

- 国、地方のきわめて厳しい財政状況
- 三位一体の改革(地方交付税、補助金の削減)
- 少子高齢化
- 地方分権
入間市の状況
普通地方交付税が不交付になり、歳入が減少します(平成12年35.8億円、17年5.5億円、18年0 円。不交付団体は、全国1820市町村中169)。
少子高齢化で、人口が減少し、そのため税収が減少、医療費等が増加します(少子高齢化が顕著になります。推計では平成23年以降人口減少)。
その結果、毎年10億円から20億円の財源不足となり、現在の行政サービスの継続が困難になります。
入間市行政改革長期プラン(案)の概要
行政改革長期プランの策定に向けて
位置付け・期間
本プランは、平成19年度から28年度までの10年間を計画期間とします。このうち、財政状況や各種制度が不安定な時期を前期、それらが安定すると見られる時期を後期と位置付けます。
前期の実施計画は23年度までの5年間とし、前期目標を設定することによりその具体的な取り組みを別途策定します。後期5年間の実施計画は、前期の進捗とその時点の財政状況を見極め、後期目標の設定と共に23年度に策定します。
入間市行政改革長期プラン
前期実行計画(平成19年度から23年度)
後期実行計画(平成24年度から28年度)
基本方針
- 財政の健全化に向けて、「歳入に見合った歳出」を基本に行財政運営を進めます。また、受益者負担の適正化について一定の基準により見直しを進めます。
- 組織・人事の見直しとして、社会情勢に柔軟に対応できる組織編成や人事給与制度の改革を進めながら職員能力の向上に努めます。
- 市民自治の推進に向けて、協働を推進する諸環境を整えると共に、行政運営の透明性の向上に努めます。
- 改革を着実に推進するために、一定の基準により行政サービスや提供体制のあり方を判断し、あるべき位置付けに向けた見直しを進めます。
改革の具体的項目
1 財政の健全化
財政の健全化計画
(1)計画的な財政運営
・バランスシートや行政コスト計算書などの分析により、経営感覚の醸成を図る。
・毎年度財政推計を行い、計画的で堅実な財政運営を行う。
・経常的経費と投資的経費の割合を常に精査する。
・公債依存体質からの脱却、財政調整基金の充実等を図る。
・事務、事業の見直しにより可能な限り歳出縮減に努める。
(2)歳入の確保
・課税の適正化、収納率向上特別対策の継続などによる諸税等の徴収率の向上を図る。
・企業誘致の強化、売却を含めた市有財産の有効活用などを図る。
・サービスコストの縮減に努めた上で、使用料、手数料などの受益者負担の適正化およびその減免の見直しを 実施する。
(3)公営企業の健全な運営確保
・水道事業について、設備の改修時期や県水単価等を見極め、長期的な経営プランの策定により健全な運営を確保する。
外郭団体等の改革
・市が出資または、補助金を交付している外郭団体等について、自主財源の精査を行うなど本プランと同様な改革を求め、自立化を推進する。
民間委託の推進
・全公共施設における行政サービスのあり方や、提供・執行体制のチェックによる総点検を行う。
・効率的な業務執行確保のために、民間委託に係る具体的、総合的な指針や計画を策定する。
・指定管理者制度も含め、委託の効果について事前事後の評価に重点を置く。
・委託契約に係る透明性の確保、個人情報保護や守秘義務などにも配慮する。
公共施設の見直し
・稼働率の低下、あるいは役割を終えた施設については、統廃合を含め施設運営の効率化を検討する。
・学校施設等については、長期的な少子化傾向を見極め、維持管理に係る将来計画を策定して、効率的な維持管理を進める。
・新たな公的施設の需要に対しては、既存施設や民間施設の活用を積極的に進め、公共施設(道路等を除く)の新設は極力避ける。
・ダイアプラン4市(入間市・所沢市・狭山市・飯能市)で行っている施設の相互利用を積極的に進める。
事務事業の見直し
(1)行政評価の実施
・現行の事務事業評価を施策、政策の評価に発展させる。
・PDCAサイクル(注)を念頭に置き、評価の結果を機能的に反映するシステムを構築する。
・国の政策評価や他の地方公共団体の行政評価にかかわる成果にも着目し、事前評価を実施する。
(2)事務的経費の削減
・ISO14001の推進と経費節減の観点から、電力、電話、公用車などに係る経常的経費を削減する。
(3)情報化の推進
・庁内情報の共有化の推進による事務の効率化を進める。
・増加する機器の借上げやシステム開発に係る「経費適正化計画」を策定する。
(4)補助金の適正化
・補助金の透明性や適正執行確保するため、交付内容、各団体の事業内容や決算状況を的確に把握する。
・現行方式による交付は平成20年度までとし、新たな補助制度を21年度から開始する。
・市独自の補助事業については、そのあり方について検討する。
(注)PDCAサイクル 事業実施の際に、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)を継続的に繰り返し、より効率的で効果的な事業を推進する管理手法。
特別会計の改革
特別会計については、次の方針に基づいて運営する。
(1)区画整理事業
・市施行の4事業(武蔵藤沢駅周辺・入間市駅北口・扇台・狭山台土地区画整理事業)への一般会計からの繰出金を改革前期は、年間10億円程度とする。
・4事業への配分は、完了に近い事業を優先して進める。
・後期においては、財政状況に応じた枠配分により事業を推進する。
(2)国民健康保険事業
・当面は、一般会計からの繰出金を市税の5%相当の年間11億円程度として自立的運営を促す。
・国の医療制度改革に対応して、増加傾向にある医療費の抑制対策をさらに進める。
(3)下水道事業
・一般会計からの繰出金を年間10億円以下として自立的運営を促す。
(4)介護・医療保険事業
・法令により規定される負担割合に従い一般会計から繰出金を拠出する。
・制度の理念が着実に実現できるよう、各種事業を展開しつつ、国・県の制度改革に対応する。
2 組織・人事の見直し
組織の見直し
(1)組織の見直し
・市民の利便性を常に念頭に置き、簡素で効率的な組織を実現する。
・組織の横断的な連携により、縦割り行政の弊害を解消する。
・各種制度改革に柔軟に対応するため、毎年見直しを検討する。
(2)柔軟な組織運営
・迅速な意思決定を図るため、効果的かつ柔軟な組織編成とする。
・計画策定や新たな課題への対応を迅速かつ的確に行うため、現行のグループ制やプロジェクト等を積極的に活用す
る。
・部署を超えた事業展開や事務事業の執行も視野に入れる。
(3)審議会の見直し
・市民の市政参画への機会の重要性にも配慮しながら、審議会本来の役割を再度見極め、類似した審議会の統合を図り、審議会の活性化に向けた見直しを進める。
職員数の削減
・職員数については、行政改革推進法に基づく数値目標により削減を進める。
・本プラン期間中は、毎年30人前後の定年退職者が予定されるため、新規、再任用、嘱託、パート職員の採用を継続
的な行政運営からの視点やスリム化とのバランスに配慮し、人件費を抑制する。
・技能労務職については、前期期間は退職不補充を基本とする。
・職員数の削減に当たっては、市民サービスの低下に直結しないよう、事務事業の見直しや民間委託等と関連して削減を進める。
給与制度等の適正化
・給与構造改革や各種手当の見直しについて、人事院勧告を基準とし見直しを行い、人件費の適正化を進める。
・勤務時間等の見直しや、時差出勤制度等の活用により職員給与費全体の縮減を進める。
人事登用の活性化
(1)人事制度の改革
・人事院勧告による新たな給与 制度の導入に際し、人事評価制度を見直す。
・職員の任用制度を柔軟にし、組織全体の活性化を図る。
・職員の勤労意欲が十分に働く仕組みを構築する。
(2)人材育成
・民間企業への派遣研修、ダイアプラン職員研修などを通じて職員の見識を深める。
・職員の政策形成能力の向上を図る。
・行財政状況等に関する情報の共有化を進める。
(3)新たな任用形態の導入
・新たな行政サービスの提供に当たり、その業務執行体制を審査、さまざまな任用形態を活用して効率化を進める。
3 市民自治の推進
協働の推進
・新たな公共的課題に応じる多様なサービス提供者としてNPO等の活躍に期待し、支援組織を強化する。
・ガイドラインを策定してNPO等との協働事業の推進に取り組む。
行政運営の透明性の向上
(1)情報共有の推進
・市民と情報を共有することにより、本プランの確実な推進を図るため、改革の推進状況や財政状況を積極的に公開す
る。
・各分野の個別計画等の策定に当たっては、行政手続法による意見公募手続に準じて市民意見聴取の機会を設定する。
(2)評価の公開
・事務事業評価等は常に市民に公開する。
改革を着実に進めるために
個別具体的な改革の推進にはさまざまな困難が予想されますが、自治体経営として、市全体の視点から見た事業のあるべき姿を確実に設定することが重要になります。
このため、全ての行政サービスや事務事業について図の流れによりチェックを実施し、改革を進めます。なお、あるべき位置付けへの移行については、市民への影響や、適正な移行期間を判断して実施計画により進めます。

前期5年間の目標
1 改革の目標
行政改革長期プランの目標を明確にして分かりやすくするため、前期実施計画の終了年となる平成23年度決算時の改革目標額を定めます。
その改革目標額は、財政推計から歳入を320億円、歳出を340億円と仮定し、その差の20億円とします。
その20億円の改革の内訳は、おおむね次の通りです。
歳入確保 5億円
(1)市税の伸び 約3億円
(2)受益者負担の増(使用料、手数料) 約1億円
(3)財産収入の増ほか 約1億円
歳出削減 15億円
(1)人件費等の見直し 約5億円
(2)扶助費等の制度的見直し 約1億円
(3)補助費、繰出金の見直しほか 約2億円
(4)普通建設事業費の見直し 約7億円
2 財政運営の指標
改革の目標を達成する上で、毎年の財政指標の運営目標と年度目標を持って堅実な自治体経営を進めることが重要です。このため、次の数値を目標として行財政運営を行います。
前期実施期間の毎年の目標
(1) 公債費負担比率…15%以下の堅持
(2)基礎的財政収支…黒字の堅持
(3)市税現年度収納率…98%以上の確保
(4)地方債発行額…新規地方債を元金償還額未満
短期目標の設定
(1)経常収支比率…平成20年度決算までに90%未満、以降は前年未満
(2)職員の削減…平成22年4月までに1,055人以下の体制
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