狭山茶の主産地・入間市の「おいしい狭山茶大好き条例」

更新日:2024年04月30日

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令和4年10月1日施行 おいしい狭山茶大好き条例

 おいしい狭山茶大好き条例は、入間市の特産物の狭山茶と茶文化を後世へつないでいくために狭山茶をみんなで盛り上げようという条例です。

 入間市は狭山茶の生産面積が最も広く、市内には80を超える茶業者がおり、約100の茶葉販売店があります。市民意識調査では、入間市の魅力として狭山茶と茶畑が毎回1位となっています。この条例制定をきっかけとして、ますます狭山茶のことを知って楽しんで、たいせつにしていただけたら幸いです。

一面に広がっている金子台の茶畑と遠くに見える富士山の写真

入間市 金子台の茶畑と富士山

おいしい狭山茶大好き条例 全文(小学5年生以上で習う漢字にふりがな

おいしい狭山茶大好き条例 全文(ふりがな無し)

条例全文

おいしい狭山茶大好き条例

令和4年9月22日制定

 入間市は、狭山茶の「誕生の地」であり、最大の「主産地」です。
 入間市にとって狭山茶は、入間市の自然環境と先人たちの努力の上に成り立つ重要な特産物であるとともに、その味と香り、茶のある暮らし、茶畑の広がる風景は、市民の誇りとなっています。市内の至る所に茶畑や茶工場、茶販売店があり、茶業は、入間市の主要産業のひとつとして地域経済の中で大きな役割を担っています。
 市では、狭山茶を始めとした幅広い茶に関する調査研究を行い、研究成果を生かした講座や展示をしています。学校教育では、茶摘みや盆点前などの「狭山茶とふれあう教育」を地域の教育力を生かして推進しています。このように子どもから大人まで狭山茶や茶文化について学ぶ機会を多くつくっていることが、入間市の大きな特色となっています。
 狭山茶産地は、全国の主要茶産地の中では北方に位置し、温暖な地域に比べ茶摘みができる回数も限られ、全国的に見れば生産量は少ない状況です。しかし、寒さに耐えるために茶の葉がじっくり育ち、香りや味がよいといわれており、流通の少なさから希少価値が高いといえます。
 近年、日常的に急須で茶を淹れて飲む人は少なくなってきており、茶業の状況は厳しく、市内の茶業者は減少傾向にあります。その一方で、意欲的に狭山茶の生産や新しい商品開発に取り組む茶業者がいます。また、若い世代にも、おいしい狭山茶と茶のある文化を残していきたいと活動する市民がいます。そして、多くの市民が茶畑と狭山茶を入間市の魅力として大切に思っていることは、市民意識調査に表れています。
 ここに、みんなで、市民が魅力と感じる狭山茶の振興を図り、茶文化を後世へつないでいくため、この条例を制定します。

(目的)
第1条

この条例は、茶業および茶文化の振興を図り、茶畑の風景や狭山茶のある暮らしを後世へつないでいくことを目的とします。

(定義)
第2条
  1. 茶業とは、茶の栽培、製造又は販売をすることをいいます。
  2. 茶業者とは、入間市内で狭山茶の栽培、製造又は販売を業とする者のことをいいます。
  3. 狭山茶とは、狭山丘陵とその周囲に広がる武蔵野台地を中心として、埼玉県および埼玉県に隣接する東京都西部地域において生産された茶をいいます。
(茶業者の役割)
第3条

茶業者は、茶業および茶文化の振興を図る取組を主体的に進めます。

(市の役割)
第4条

市民は、一日一杯の狭山茶を飲むなど狭山茶のある生活を心がけます。

(市の役割)
第5条
  1. 市は、狭山茶について調査研究し、その歴史、文化および魅力を広く伝えていきます。
  2. 市は、茶畑の風景を守るため、茶業が魅力ある産業として持続するよう生産環境の向上を図り、製茶技術の継承を支援します。
  3. 市は、茶業者による主体的な取組を支援するとともに、茶業者と協力して茶文化振興および狭山茶の消費促進や販路拡大を図ります。
(みんなの役割)
第6条

茶業者、市民および市は、狭山茶をみんなで盛り上げていきます。

(狭山茶の日)
第7条
  1. 狭山茶に親しみ、狭山茶を再認識するため、狭山茶の日を定めます。
  2. 狭山茶の日は、6月の第1日曜日とします。
附則

この条例は、令和4年10月1日から施行する。

ご参加ください 狭山茶関連イベント

条例制定の経緯

 入間市にとって狭山茶は、重要な特産物であり産業であるとともに、狭山茶と茶畑は市民の誇りとなっています。近年、日常的に急須で茶を淹れて飲む人は少なくなってきており、茶業の状況は厳しく、市内の茶業者は減少傾向にあります。その一方で、意欲的に狭山茶の生産や新しい商品開発に取り組む茶業者や、狭山茶と茶文化を残していきたいと活動する市民がいます。
 国は、茶業の健全な発展、豊かで健康的な国民生活の実現に寄与することを目的に「お茶の振興に関する法律」を制定しています。この法律により地方公共団体は、消費の拡大、輸出の促進、お茶の文化振興に必要な施策を講ずるよう努めるものとされています。
 茶振興の条例は、お茶の主要産地である静岡県や静岡市、宇治市などで制定していますが、埼玉県内や狭山茶産地としては、入間市が初の条例制定となります。
 入間市においても、狭山茶振興を図る条例の制定は市民団体からも要望が寄せられており、市民が魅力と感じる狭山茶の振興を図り、茶文化を後世へつないでいくため、本条例を制定しました。

条例の解説

第7条「狭山茶の日」
「狭山茶の日」とは、狭山茶に親しみ、狭山茶を再認識するための日です。6月としたのは、狭山茶の新茶が出揃う時期であること、江戸時代後期に江戸の茶問屋と取引が開始された狭山茶復興の記念すべき日が1819年6月であったことを由来としています。狭山茶の新茶の出揃ったこの季節、入間市ならではの茶畑の風景や狭山茶のある暮らしを後世へつないでいくことを市内外の皆さまに考えていただけたら幸いです。
例えば、職場で、サークルで、気の合う仲間と、家でまったり、狭山茶を飲んでみてはいかがでしょうか?県内最大のまとまった茶畑である金子台の茶畑を歩いてみては?お茶屋さんに行って、品種や摘採時期の違うお茶から、好みのものを探してみたり、各お茶屋さんの狭山茶ようかんやアイスの食べ比べもいいですね。博物館アリットのホームページを開き狭山茶の歴史に触れてみたり、狭山茶の歴史にまつわる場所をめぐってみることも。茶摘み体験や工場見学を受け入れているお茶屋さんもあります。
「狭山茶の日」をきっかけに、いろいろな立場の方が、思い思いに狭山茶を楽しんでいただけたら、狭山茶を後世に残していく大きな力になることでしょう。

 

 

条例の解説は、今後より充実させていきます。

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