入間市環境基本条例
入間市環境基本条例全文
平成10年9月30日条例第31号
私たちのまち入間は、加治丘陵や入間川、広大な茶畑などの豊かな自然に恵まれ、人々は、その環境を享受して生活を営み、産業をおこし、文化をはぐくみ、暮らしやすいまちを築いてきた。
しかしながら、日常生活や事業活動などに伴う環境への負荷の増大が、地球規模という空間的な広がりと将来の世代にもわたる時間的な広がりを持つ問題となっている。
もとより、私たちは、健康で文化的な生活を営む上で必要とされる環境の恵沢を享受する権利を有するとともに、その環境を将来の世代に引き継ぐ責務を有している。
私たちは、私たちを取り巻く環境が自然の生態系の均衡の下に成り立つ有限なものであることを深く認識し、健全で恵み豊かな環境を継承していくとともに、環境への負荷の少ない持続的に発展することができる循環型社会を構築していかなければならない。
このためには、環境の保全及び創造に関する基本的な方向を定め、市、市民及び事業者が共通の認識に立って、それぞれの立場から具体的な取組を行うことが必要である。
私たちは、共に力を合わせて環境の保全及び創造を推進し、人と環境が共生するまちをつくるため、ここに、この条例を制定する。
(目的)
第1条
この条例は、環境の保全及び創造について基本理念を定め、並びに市、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、環境の保全及び創造に関する施策の基本となる事項を定めることにより、その施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の市民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条
この条例において「環境への負荷」とは、人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
(基本理念)
第3条
- 環境の保全及び創造は、現在及び将来の市民が安全で健康かつ快適な環境を享受するとともに、良好な環境が将来にわたって引き継がれていくように推進されなければならない。
- 環境の保全及び創造は、すべての者が環境への負荷を低減することその他の環境の保全及び創造に関する行動を継続的に行うことによって、自然の物質循環を損なうことなく持続的に発展することができる社会が構築されるように推進されなければならない。
- 環境の保全及び創造は、地域の環境が地球全体の環境と深くかかわっていることにかんがみ、日常生活及び事業活動において、地球の環境にも配慮した自発的な取組により推進されなければならない。
(市の責務)
第4条
- 市は、前条に定める環境の保全及び創造についての基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、環境の保全及び創造に関する総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。
- 市は、基本理念にのっとり、すべての施策の策定及び実施に当たっては、環境への配慮に努めなければならない。
(市民の責務)
第5条
市民は、基本理念にのっとり、日常生活に伴う環境への負荷の低減に努め、環境の保全及び創造に自ら取り組むとともに、市が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力する責務を有する。
(事業者の責務)
第6条
事業者は、基本理念にのっとり、事業活動に伴う環境への負荷の低減、環境汚染の防止その他の環境の保全及び創造に自ら取り組むとともに、市が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力する責務を有する。
(基本的施策)
第7条
- 市は、基本理念の実現を図るため、公害の防止、自然環境の保全等に係る施策を継続し、その充実に努めるとともに、次に掲げる施策を実施するものとする。
- うるおいとやすらぎのある都市環境の創造に関すること。
- 資源の循環利用、廃棄物の発生抑制、エネルギーの有効利用等に関すること。
- 地球温暖化の防止、オゾン層の保護等の地球環境の保全に関すること。
- 市は、前項の施策を実施するに当たっては、市民及び事業者の自発的な活動を促進するため、適切な市民参加の方策を講ずるよう努めるものとする。
- 市は、すべての者が人と環境とのかかわりについての理解及び認識を深めるため、環境学習の推進に努めるものとする。
(環境基本計画の策定)
第8条
- 市長は、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、環境の保全及び創造に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を策定しなければならない。
- 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
- 環境の保全及び創造に関する目標及び施策の大綱
- その他環境の保全及び創造に関する施策を推進するために必要な事項
- 市長は、環境基本計画の策定に当たっては、あらかじめ市民、事業者及びこれらの者の組織する民間の団体(以下「市民等」という。)の意見を反映するために必要な措置を講ずるとともに、入間市環境審議会(以下「環境審議会」という。)の意見を聴かなければならない。
- 市長は、環境基本計画を策定したときは、速やかにこれを公表しなければならない。
- 前二項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。
(総合的調整)
第9条
市は、環境の保全及び創造に関する施策を実効的かつ体系的に推進するため、環境の保全及び創造に関する市の主要な施策又は方針の立案に際し、総合的な調整を行うものとする。
(環境の保全上の支障を防止するための規制)
第10条
市は、環境の保全上の支障を防止するため、必要な規制の措置を講ずるものとする。
(市民等の自発的な活動の促進)
第11条
市は、市民等の環境の保全及び創造に関する自発的な活動が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。
(情報の提供)
第12条
市は、前条の活動を促進するため、個人及び法人の権利利益の保護に配慮しつつ、環境の状況その他の環境の保全及び創造に関する情報を適切に提供するよう努めるものとする。
(環境学習の充実)
第13条
市は、市民等が環境への意識を高め、環境に配慮した取組が推進されるように、学校、地域、職場、家庭等の場を通じて、環境学習の充実に努めるものとする。
(環境の保全及び創造に資する助成)
第14条
市は、市民等が行う環境への負荷の低減のための施設の整備その他の環境の保全及び創造に資する取組について、特に必要があると認めるときは、適正な助成その他の措置を講ずるよう努めるものとする。
(環境への負荷の低減に資する製品等の利用の促進)
第15条
市は、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、製品、エネルギー等の利用が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。
(報告書の作成等)
第16条
市長は、環境基本計画の適正な進行管理を図るため、市の環境の現状、環境の保全及び創造に関する施策の実施状況等について報告書を毎年度作成し、及び公表しなければならない。
(市民等の意見)
第17条
市民等は、前条の報告書が公表された日から市長が定める日までに、当該報告書について市長に意見書を提出することができる。
(環境審議会の意見)
第18条
- 市長は、前条の市長が定める日後、速やかに第16条の報告書について環境審議会の意見を聴かなければならない。
- 市長は、前項の規定により環境審議会の意見を聴くときは、前条の規定により提出された意見書を環境審議会に提出するものとする。
- 市長は、当該報告書について環境審議会から意見を受けたときは、その趣旨を尊重し、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(調査及び研究)
第19条
市は、環境の状況の把握並びに環境の変化の予測に関する調査その他の環境の保全及び創造に関する施策の策定に必要な調査及び研究に努めるものとする。
(監視等の体制の整備)
第20条
市は、環境の保全及び創造に関する施策を適正に実施するために必要な監視、巡視、測定及び検査の体制の整備に努めるものとする。
(推進体制の整備)
第21条
市は、市民等と協力して、環境の保全及び創造に関する施策を推進するために必要な体制を整備するものとする。
(国、埼玉県等との協力)
第22条
市は、広域的な取組が必要とされる環境の保全及び創造に関する施策について、国及び埼玉県その他の地方公共団体と協力して、その推進に努めるものとする。
附則
この条例は、平成11年4月1日から施行する。平成10年9月30日条例第31号入間市環境基本条例
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更新日:2023年03月31日