ニホンカモシカは国の天然記念物です

更新日:2024年09月11日

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ニホンカモシカの保護と現状

ニホンカモシカは日本にしかいない動物で、その学術的価値の高さや個体数の減少から「文化財保護法」により特別天然記念物に指定され、保護が図られています。

現在では、個体数は徐々に回復していますが、その一方で林業や農業への被害、市街地への出没など、人々の生活に影響を及ぼすことも起きています。

ニホンカモシカ(加治丘陵で撮影)

ニホンカモシカはこんな動物です

ニホンカモシカはウシ科の動物です。成獣で体長1から1.5メートル程度体重は30から40キログラム。オス、メスともに短い角があります。毛色は個体差があり、黒褐色や灰褐色、白灰色など様々です。

岩場や急傾斜の斜面がある森などに住み、低木の葉や芽、小枝、花、実のほか、笹などの草木を食べています。冬には木の皮をかじることもあります。早朝や夕方にエサを食べた後は、木陰などに座り込んで消化吸収をするために休みます。その間はじっとして動かず、人が来ても逃げないことがあります。ニホンカモシカにはウシと同じように4つの胃があり、反すうを行っています。

成獣にはナワバリがあり、行動範囲が決まっています。同じ場所で同じ個体を見かけることも多いです。

通常は1匹でいますが、4月から6月頃に子どもを産むと1年ほどは母子で行動します。母親は子を置いてエサを食べに行くこともあります。

性格は基本的に穏やかで人に危害を与えることは滅多にありませんが、追い詰められると向かってくることもあります。

ニホンカモシカ(加治丘陵で撮影)

ニホンカモシカを見かけたら

生きているニホンカモシカを見かけた場合は以下の3点に注意してください。

  1. 近づかない・・・ニホンカモシカがパニックを起こし突進されたり、角で突かれて怪我をする恐れがあります。
  2. 驚かせない・・・驚いたニホンカモシカが思いもよらない行動をとることがあり危険です。
  3. 逃げ道を塞がない・・・ニホンカモシカは自分のナワバリに戻る習性があるため、山へ帰る道がわかれば自分で帰ります。

特に子どものニホンカモシカが1匹でいる場合、親とはぐれたと思い保護したくなりますが、絶対に連れて帰ったりしないでください。1匹でいるように見えても、母親が付近におり人を警戒して出てこなことがあります。人の手が触れた子カモシカを自然に返すことは非常に難しいため、明らかに怪我をしている場合などを除き静かに見守るかその場から立ち去ってください。

対応方法一覧
ニホンカモシカの状態 対応
元気な場合 静かに見守ってください。刺激したり、騒ぎ立てないようにしてください。
怪我や病気が疑われる場合

触らずに速やかに「西部環境管理事務所」(049-244-1250)へ連絡してください。

(注釈)うずくまって動かないカモシカは、衰弱しているのではなく、食後の反すうを行っている場合があります。

死亡している場合 「入間市博物館 文化財担当」(04-2934-7711)へご連絡ください。

 

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