平成30年度施政方針

更新日:2023年03月31日

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1 予算編成の考え方

 平成30年第1回市議会定例会において、平成30年度当初予算関係議案のご審議をお願いするにあたり、予算編成の考え方と施策の概要を申し述べ、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力をいただきたいと存じます。

 我が国経済は、景気の緩やかな回復基調が5年以上続き、国内総生産(GDP)や企業収益は伸び、所得や雇用の環境も指標的に見れば一定の改善が見られています。しかしながら、多くの国民にとっては、依然としてその恩恵効果を実感できる段階ではなく、今後、働き方改革や人材投資を通じ、更なる景気回復、成長と分配の好循環の実現による地方経済の活性化を期待するところであります。また、政府は、昨年末「新しい経済政策パッケージ」を定め、その中で、幼児教育・保育の無償化を掲げる一方、2020年度までに基礎的財政収支の黒字化を目指すという財政健全化目標を事実上先送りしています。このことが、今後の、地方を含めた国全体の経済・財政にどのような影響を及ぼすのか予断を許さない状況と認識しております。

 こうした経済状況の中、国の平成30年度一般会計予算案は、社会保障関係費の伸びに伴い、総額97兆7,128億円と過去最大となりました。経済再生と財政健全化を両立し、「人づくり革命」や「生産性革命」をはじめ、現下の重要課題に重点化した予算としています。

 入間市においても、こうした経済情勢や国の予算の動向を念頭に、第6次入間市総合計画に基づき、前期基本計画及び行財政改革を推進しつつ、「充実した生活都市 入間市」の実現に向けて各施策を推進してまいります。

 平成30年度の入間市の財政状況は、歳入において市税が僅かに増額となるものの、行政水準を維持し必要な施策を推進するためには、引き続き財源不足となる見込みであります。このため、臨時財政対策債や適債事業を活用し、さらに、財政調整基金からの繰り入れにより財源不足の調整を図りました。

 歳出では、事業の必要性、緊急性、優先性などを考慮し編成しました。

 特に、投資的経費については、継続事業の市民体育館耐震補強等工事、小中学校屋内運動場非構造部材耐震化工事、防災行政用無線デジタル化移行工事など、実施計画との整合性に配慮し、限られた財源の有効配分に留意しつつ、安全・安心な施設とするための事業を中心に推進を図っています。一方、経常的経費については、後期高齢者医療療養給付費負担金が大幅な増額となり、障害児給付事業や生活保護費といった扶助費も増額しています。そうした中でも、学童保育事業や放課後子ども教室の拡充を図るほか、「元気な子どもが育つまち」を目指した各種事業を継続発展させ、子ども・子育て支援の更なる充実を図っています。

2 予算の規模

 平成30年度の各会計別の当初予算案は、ただいま申し上げました基本的な考えのもとに編成したもので、一般会計は、前年度対比1.5%増の413億1,500万円としました。

 また、特別会計は、介護保険特別会計が保険給付費の伸びなどにより増額となっていますが、国民健康保険特別会計が広域化に伴い大幅な減額となったことにより、前年度対比9.4%減の282億2,182万2千円としました。

 この結果、一般会計と特別会計を合わせた予算総額は、前年度対比3.2%減の695億3,682万2千円としました。

 水道事業会計については、前年度対比1.8%減の41億7,560万1千円、下水道事業会計については、前年度対比2.6%増の34億9,224万1千円としました。

3 歳入の概要

 それでは、一般会計の歳入予算の主なものについて、ご説明申し上げます。

 市税については、景気の動向及び国の経済見通し等を勘案するとともに、税制改正の内容を踏まえ計上しました。

 地方譲与税及び各種交付金については、前年度の交付実績及び国の「地方財政対策」を勘案し計上しました。

 地方交付税については、自主財源の根幹である市税収入が僅かな増額にとどまる中、前年度の交付実績及び国の「地方財政対策」を参考に、前年度対比7.2%減の13億8,400万円としました。

 国庫支出金、県支出金については、対象事業等の交付基準により計上しました。

 市債については、臨時財政対策債を見込むとともに、起債対象事業を十分精査し借り入れを計上しました。その上で、さらに不足する財源については、財政調整基金から16億6,000万円を繰り入れることにより補てんしました。

 これらの結果、平成30年度一般会計当初予算案の総額を413億1,500万円とし、歳入の内訳としましては、

  • 市税 210億5,172万4千円
  • 地方消費税交付金 24億1,400万円
  • 地方交付税 13億8,400万円
  • 国庫支出金 55億1,828万8千円
  • 県支出金 24億9,950万1千円
  • 市債 31億9,160万円
  • その他 52億5,588万7千円

としました。

4 施策の概要

 続いて、歳出について、第6次入間市総合計画に掲げる施策の大綱ごとに、重点施策の概要を申し上げます。

始めに、「つながりを大切にしたまちづくり」について申し上げます。

 人権施策の推進については、性的マイノリティへの理解をはじめ、多様な生き方を尊重するための啓発を進めます。

 男女共同参画の推進については、「第4次いるま男女共同参画プラン」に基づき、男女共同参画社会の実現を目指します。特に、女性の活躍を推進するための事業展開を図ります。

 コミュニティ活動の充実については、自主的な運営が進められるよう区長会及び自治会への支援を図り、市民活動団体と共に市民が主役のまちづくりを推進します。また、多言語による情報提供を行いながら、外国人市民のコミュニティ活動への参加を促進してまいります。

 姉妹都市・友好都市との交流については、国際交流協会と連携して友好関係の充実に向けた各種交流事業の推進に努めます。

次に、「学びあいのまちづくり」について申し上げます。

 生涯学習の推進については、市民一人ひとりが学び続けることができるように、学習情報の提供や、学習機会の充実に努めます。

 学校教育については、更なる学力の向上と定着を目指し、全小中学校へ教科指導員を配置します。また、次期学習指導要領への対応や小学校外国語教育の充実のため英語指導助手(AET)を増員します。さらに、きめ細やかな教育支援を継続するため子ども支援員、介助員及びさわやか相談員を引き続き配置し、児童生徒一人ひとりを大切にする教育を推進します。

 子ども未来室事業については、市内全小学校に小中一貫サポーターを配置し、小中一貫教育を推進することにより、学力の向上や中1ギャップの解消を図ります。また、ユニバーサルデザインの視点を取り入れた教育を展開し、だれにでも分かりやすい授業づくりや教育活動の充実に努めます。

 学校施設については、小中学校に設置したエアコンの稼動、屋内運動場非構造部材耐震化工事等、子どもたちへの教育環境向上につながる施設整備を進めるとともに、老朽化している施設の適正な維持管理に努めます。
学校給食については、安全・安心でおいしい給食の提供に努めます。また、自校給食校の食器の変更について継続して推進します。

 社会教育事業については、人権教育の推進、家庭・地域の教育力の向上に努めます。

 放課後子ども教室については、市内全校での展開をめざし、実施校の拡充を図ります。

 博物館では、管理の一部に指定管理者制度を導入し、サービスの向上を図ります。また、旧石川組製糸西洋館について、活用を図るため一般公開等を実施してまいります。

 図書館では、快適な読書環境の維持管理を図るとともに、市民ニーズや現代的・社会的課題に対応した図書資料の充実に努めます。

 公民館では、市民の学習成果の発表の場として美術展や文化祭等を開催するとともに、高齢者を対象とした事業、健康づくりを推進する事業、子育て支援事業、青少年の体験活動事業等の充実に努めます。

 生涯スポーツを推進するため、学校、地域及び団体等との連携によるスポーツ、レクリエーション事業の充実を図ります。また、安全・安心な体育施設のために、市民体育館の耐震補強等工事を昨年度に続き実施します。なお、プール事故の対策として、運動公園プールのプールフロアの拡大等を行い、安全・安心なプール運営にも努めてまいります。

次に、「ささえあいのまちづくり」について申し上げます。

 地域福祉については、引き続き「第2次入間市地域福祉計画」に基づき、入間市社会福祉協議会などとの連携を図りながら、福祉のまちづくりを進めるとともに「第3次入間市地域福祉計画」の策定に取り組みます。

 生活支援については、生活困窮者自立支援事業の充実を図り、生活困窮者に対し生活保護に至る前での自立に向け支援します。また、生活保護世帯の自立の助長を図るとともに、適正給付に努めます。

 子ども・子育て支援については、「入間市子ども・子育て支援事業計画」に基づき、施設型給付、地域型保育給付を行うとともに、地域子育て支援拠点や学童保育室の整備などを進め、地域子ども・子育て支援事業の充実に努めます。

 児童センターについては、指定管理者制度を導入し、子育て支援事業や中高生向けの事業の充実を図ります。

 子どもや子育て家庭の生活環境等を把握するため、子どもの貧困の実態や子育て家庭のニーズを調査し、子どもたちが健やかに育つまちづくりを目指します。

 多様化する家庭児童相談や児童虐待防止に対応するため、相談支援体制の強化を図ります。

 また、子育て世代包括支援センターによる妊娠期からの切れ目のない支援を推進するとともに、妊産婦及び妊娠出産を希望する方の健康保持や相談支援の実施、乳幼児の健やかな発育発達のための各種母子保健事業の充実を図ります。

 児童発達支援については、発達の遅れ又は障害のある児童に対する支援の充実を図るとともに、児童発達支援センター開設を見据え、児童の発達に関する多様なニーズに対応する支援体制の整備に努めます。

 高齢者支援については、「入間市第8次高齢者保健福祉計画」に基づき、要援護者等支援事業などを実施し、援護が必要な高齢者の生活の安定と介護者負担の軽減を図ります。老人福祉センターは、指定管理者と連携し、サービスの向上に努めます。

 障害者支援については、基幹相談支援センターを中心に相談支援体制の充実を図り、障害者(障害児)の地域社会への定着と自立した生活を支援します。また、「第5期入間市障害者福祉プラン」に基づき、継続性のある障害者福祉施策を推進してまいります。

 健康づくりの推進については、市民の主体的な健康づくりを推進するため、地域での健康づくり活動を支援します。また、保健師の地区担当制により地域の健康課題に取り組むとともに、生活習慣病予防や病気の早期発見のため各種健康診査及び保健指導についても、引き続き推進してまいります。なお、初期救急医療体制の整備については、狭山市と共同で一週間を通じた準夜間帯における初期救急患者への診療を引き続き実施します。

次に、「住みやすく緑豊かなまちづくり」について申し上げます。

 まず、入間市駅前側留保地については、一日でも早い利活用を図れるように、平成20年度に策定した留保地利用計画の見直しに向けて、前提となる基本方針の検討、調査・研究に取り組みます。

 土地区画整理事業については、「狭山台土地区画整理事業」の完成を目指します。「武蔵藤沢駅周辺土地区画整理事業」は、早期完成に向けて事業の推進に努めます。「入間市駅北口土地区画整理事業」は、黒須中央通り線周辺の建物移転や街路築造工事等を実施します。また、「扇台土地区画整理事業」は、扇台愛宕公園線周辺の建物移転や街路築造工事等の計画的な推進に努めます。

 道路については、上藤沢・林・宮寺間新設道路(市道幹63号線)及び金子地区の市道C513号線の道路改良工事を実施します。

 不老川の浸水被害の軽減を図るため、埼玉県で実施する不老川緊急治水対策事業のうち、県から受託した、不老橋、富士見橋の架け替えに伴う設計業務等を実施します。

 公園については、引き続き、施設の適正な維持管理に努めます。

 コミュニティバス(てぃーろーど及びてぃーワゴン)、路線バスをはじめとする地域公共交通については、地域戦略の一環として、「入間市地域公共交通網形成計画」に基づき、引き続き持続可能な公共交通を目指します。なお、再編後1年間は、市民の交通動向を把握するための実証運行を行います。

 生活環境の維持と保全については、「第二次入間市環境基本計画」に基づき環境に配慮した事務事業を展開するとともに、単独浄化槽やくみ取り便槽から合併浄化槽への転換を促進し、生活排水による河川の水質汚濁防止に努めます。また、住宅用省エネルギー設備設置費用の一部を助成し、地球温暖化対策を推進します。

 循環型社会の推進については、市民・事業者・行政の三者が協働で各種施策を展開し、ごみの発生を最小限に抑えるとともに、ごみの減量・資源化を図ります。また、総合クリーンセンターの長寿命化のため、基幹的設備の更新等を引き続き実施するとともに、新たな最終処分場の整備に向けて基本構想を策定します。

 自然環境の保全・活用については、加治丘陵の公有地化に努め、その管理を市民と行政との協働で推進するとともに、(仮称)加治丘陵さとやま自然公園の整備を計画的に進め、市民活用の促進を図ります。

次に、「活気に満ちたまちづくり」について申し上げます。

 農業の振興については、農業生産団体への支援を継続し、認定農業者や新規就農者などの担い手の確保に努めるとともに、効率的な農業の実施に向け生産の高効率化による品質向上や生産者の6次産業化の支援を通じた生産振興に取り組みます。また、農業に対する市民の理解を深めるため、生産者と消費者の交流活動や地産地消の促進にも取り組みます。

 商業の振興については、入間市商工会や商店街等を支援し、地域経済の振興に努めます。また、にぎわいのあるまちづくりのため、空き店舗活用創業支援事業に取り組みます。

 工業の振興については、市内中小企業への支援を行うとともに、本市工業の発展を目指して活動している工業会等への助成を引き続き行い、工業振興活動を支援します。

 雇用の促進については、入間市ふるさとハローワーク等と連携し地域雇用の促進を図ります。

 中小企業の経営基盤の強化については、中小企業制度融資をあっせんし、中小企業の活力ある活動を支援するほか、入間市商工会と連携して創業支援奨励金の支給等の創業支援事業を行い、雇用の確保、地域活性化を図ります。

 観光の振興については、観光協会を支援し、新たな魅力づくりやイベント等で様々な地域資源を積極的に発信する事業を行うことにより、本市の魅力をアピールします。また、シティセールス戦略プランのアクションプランの具現化を進め、市の魅力が目に見える地域づくりに取り組みます。

 市民文化の振興については、市民会館、産業文化センター、並びに文化創造アトリエの文化施設の整備充実を図ります。特に、産業文化センターの施設長寿命化への対応に向けた大規模改修実施設計に取り組みます。

 入間万燈まつりについては、独自の市民文化を創出する市を代表するまつりとして、実施内容の充実を図り、市民との協働のまちづくりイベントとして実施してまいります。

次に、「安全で安心してくらせるまちづくり」について申し上げます。

 危機管理体制については、さまざまな危機への備えを充実させます。

 防災対策については、防災行政用無線のデジタル信号方式への移行のための送受信局工事を引き続き実施します。また、入間市防災訓練の充実を図るとともに、各地区の自主防災会活動を支援します。

 消防については、埼玉西部消防組合と密接な連携を図り、消防力の一層の向上に努めます。

 消防団については、消防団員の処遇を充実させるとともに、安定した消防団活動のため、女性消防団員を含めた消防団員の募集に努め、地域防災力の向上を図ります。

 交通安全の推進については、交通死亡事故の撲滅を目指し、関係機関・団体と連携し、子どもや高齢者等の交通安全対策に努めます。また、交通安全施設の整備として、道路標示や道路反射鏡等の整備を進めます。その他、高齢ドライバーによる交通事故が多発しているため、平成30年度から高齢ドライバーの運転免許証の自主返納を支援する事業を実施いたします。

 防犯対策については、市民の防犯意識の高揚を図るとともに、各防犯関係機関・団体とより密接な連携及び情報交換を図り、地域防犯活動の支援を行います。また、既設の蛍光灯などの防犯灯をすべてLED灯へ交換します。

次に、「計画の実現に向けて」について申し上げます。

 広報活動として、広報いるま及び市公式ホームページ等を活用し、元気な入間の市政情報を積極的に発信します。

 社会保障・税番号制度の運用にあたっては、引き続き特定個人情報の取り扱いに細心の注意を払うとともに、情報セキュリティ対策に万全を期します。

 行政サービスの充実及び市民の日常生活における利便性向上のため、行政手続きの電子化やワンストップサービスの実現に向けた情報通信技術(ICT)の利活用に努めます。

 市民活動団体を支援する中間支援組織との連携を密にし、市民との協働のまちづくりを推進します。また、市民提案型協働事業を継続して実施し、協働事業の推進を図ります。

 行財政運営については引き続き厳しい状況の中でありますが、第6次入間市総合計画に基づく各種施策・事業の着実な実施に向けて、限られた財源を有効に活用し、推進を図ってまいります。

 また、「行政サービスの最適化」を目指すため、「行政改革大綱」に掲げた「サービス」「公共施設」「担い手」「事務事業」「組織機構」という基本的な視点に基づく具体的取り組みを「実行計画」により着実に推進してまいります。

 「公共施設」については、適切な形で将来世代に引き継いでいくことを目的とする「公共施設マネジメント」の取り組みを引き続き推進することとし、将来を見据えた各施設の再整備・再配置・維持管理にかかる具体的な計画の策定を、市民の意向を踏まえながら進めてまいります。また、耐震性能が不足している市庁舎A・B棟と市民会館・中央公民館についても、「公共施設マネジメント」の考え方に基づき、具体的な整備計画について、検討を進めてまいります。

 以上が、施策大綱別の重点施策であります。

5 特別会計・水道事業会計・下水道事業会計予算概要

 次に、特別会計、水道事業会計及び下水道事業会計の概要について申し上げます。

国民健康保険特別会計

 国民皆保険の基盤である国民健康保険制度においては、「年齢構成が高く医療費水準が高い」、「所得水準が低く保険料の負担が重い」などの課題を抱えており、各市町村では大変厳しい財政状況が続いています。そのため、国民健康保険を持続可能な制度として安定的に運営していくための改革が行われ、平成30年度からは都道府県も保険者として国保運営を担い、安定的な財政運営や効率的な事業の実施等について中心的な役割を担うこととなります。

 この国保広域化に伴い、平成30年度の国民健康保険特別会計における予算構成は大幅な変更となり、予算規模も前年度対比17.9%減の154億2,186万5千円としました。

 歳入の国民健康保険税については、平成27年度に引き続いて実施する2回目の税率改定による増収を見込むものの、被保険者の減少等に伴う減収の見込みが大きいことから、前年度対比0.5%減の32億3,601万7千円としました。また、一般会計繰入金については、税率改定の効果等により前年度対比9.0%減の10億7,850万円となりました。

 歳出については、保険給付費について、被保険者の減少等により4.4%減の106億4,761万3千円を見込みました。また、埼玉県が行う国保運営に要する費用の負担分として、新たに国民健康保険事業費納付金41億2,461万円を計上しました。

 平成30年度は国民健康保険制度の大幅な改革の初年度となることから、県や他市町村と連携を図りながら適切な運営を行うとともに、引き続き健全な事業運営に努めてまいります。

後期高齢者医療特別会計

 後期高齢者医療制度は、平成20年4月の制度開始から10年が経過し、安定的な事業運営がなされています。特別会計の内容は、市が収納した保険料等を広域連合納付金として支出するのが主な事業となっており、平成30年度の予算規模は、前年度対比11.8%増の17億8,033万円としました。これは、高齢化の進行に伴う被保険者の増加が主な理由です。

介護保険特別会計

 介護保険制度は、制度開始から18年が経過し、制度に対する市民の理解も深まっています。しかしながら、急速な高齢化が進む中、介護サービス利用者の増加とともに、給付費も年々増加しています。こうした現状を踏まえ、新たに策定した「第7期介護保険事業計画」に基づき、安定的なサービスの提供を図ります。

 介護保険料については、要介護認定者の増加やサービスの需要増に対応するための施設整備等による介護サービス給付費の大幅な増加が見込まれますが、介護給付費準備基金の取り崩しにより、基準額(月額)を4,940円としました。

 平成30年度の予算規模は98億3,252万7千円で、前年度対比4.4%の増となりました。これは要介護認定者の増加とともに、特別養護老人ホーム等の施設整備などに伴う給付費の伸びが主な理由です。なお、保険給付費は91億5,548万7千円、地域支援事業費は5億5,395万3千円としました。

 地域支援事業では、要介護状態等となることを予防するとともに、要介護状態等となった場合においても、住み慣れた地域でいつまでも自分らしく生活できるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供され、高齢者を地域で支えていく体制の構築を進めていきます。具体的には、市内9ヶ所の地域包括支援センターを核として、「入間市高齢者等地域ネットワーク推進会」などとの連携を図りながら、「介護予防・日常生活支援総合事業」、「生活支援体制整備事業」、「在宅医療・介護連携推進事業」、「認知症総合支援事業」、「地域ケア会議推進事業」を中心に取り組んでまいります。

武蔵藤沢駅周辺土地区画整理事業特別会計

 武蔵藤沢駅周辺の市街地整備を目的とした本事業は、昭和62年3月に事業認可を受けて以来、建物移転、街路築造工事等を行い、事業も終盤を迎えております。

 平成30年度の予算規模は、前年度対比6.6%減の9,850万円としました。

 主に、道路補修等の工事及び換地計画の作成等の委託事業を実施します。

 平成30年度は、道路整備及び建物移転率100%を目指し、早期の換地処分を目標に計画的に事業を推進します。

入間市駅北口土地区画整理事業特別会計

 入間市駅北口周辺の市街地整備を目的とした本事業は、平成12年7月に事業計画変更の認可を受けて以来、逐次仮換地指定を行い、建物移転、街路築造工事等を実施しております。

 平成30年度の予算規模は、前年度対比4.5%減の5億3,200万円としました。

 主に、街路築造工事、宅地造成工事、黒須中央通り線、北口中央通り線周辺の建物移転等を実施します。

 これにより、平成30年度末における道路整備率は26.3%、建物移転率は71.3%になる見込みであります。

扇台土地区画整理事業特別会計

 扇台地区の市街地整備を目的とした本事業は、平成5年9月に事業認可を受けて以来、逐次仮換地指定を行い、建物移転、街路築造工事等を実施しております。

 平成30年度の予算規模は、前年度と同額の5億1,600万円としました。

 主に、街路築造工事、汚水管布設工事、扇台愛宕公園線周辺の建物移転等を実施します。また、仮換地指定についても計画的に行います。

 これにより、平成30年度末における道路整備率は43.1%、建物移転率は33.7%になる見込みであります。

狭山台土地区画整理事業特別会計

 狭山台地区の新市街地整備を目的とした本事業は、平成5年6月に事業認可を受けて以来、建物移転、街路築造工事等を行い、事業も終盤を迎えております。

 平成30年度の予算規模は、前年度対比74.5%減の4,060万円としました。

 主に、緑地整備、道路補修等の工事及び換地処分に向けた業務委託事業を実施します。

 既に、道路整備及び建物移転率100%でありますので、平成30年度の換地処分を目指し事業を推進します。

水道事業会計

 水道事業は、「入間市新水道ビジョン」に基づき、水道施設の維持管理や更新を適切に行うとともに、効率的で安定した事業経営を確保するための取り組みを進めてまいります。

 また、水道事業と下水道事業を統合した組織体制の利点を活かし、より効率的な事業の推進に努めてまいります。

 業務予定量は、給水戸数6万7,400戸、年間総給水量1,702万2,300立方メートル、一日平均給水量4万6,636立方メートルとし、水道料金の対象となる有収率を96.0%、鍵山浄水場における自己水確保率を20.0%としました。

 収益的収入は、前年度対比0.7%増の31億3,830万3千円とし、このうち水道料金については、使用者の節水努力や節水機器の普及による減少要因はあるものの、最近の動向から横ばいで推移するものとみられ26億2,558万4千円としました。

 収益的支出は、前年度対比4.1%増の27億8,219万3千円とし、水道料金の徴収業務、鍵山浄水場等の管理、県水の受水、漏水調査及び修理、量水器の検針及び取り替えなどを行い、安全でおいしい水づくりを推進してまいります。

 なお、消費税及び地方消費税を除いた収益的収支については、当期純利益2億8,112万6千円を見込んでいます。

 資本的収入は、区画整理事業区域内における配水管工事負担金等を見込み、前年度対比20.6%増の1億5,228万6千円としました。

 資本的支出は、前年度対比11.9%減の13億9,340万8千円を見込み、配水管の布設及び布設替工事を行うなど、管路の更新を計画的に実施してまいります。

 なお、資本的収支の不足額12億4,112万2千円については、損益勘定留保資金等で補てんをします。

下水道事業会計

 下水道事業は、「入間市下水道事業中長期経営計画」に基づき、下水道施設の維持管理や更新を適切に行うとともに、効率的で安定した事業経営を確保するための取り組みを進めてまいります。

 また、下水道事業と水道事業を統合した組織体制の利点を活かし、より効率的な事業の推進に努めてまいります。

 業務予定量は、水洗化戸数5万5,111戸、年間総排水量1,608万立方メートル、1日平均排水量4万4,055立方メートルとしました。

 収益的収入は、前年度対比0.8%増の24億2,604万6千円とし、このうち使用料収入は、使用者の節水努力や節水器具の普及などによる減少要因はあるものの、最近の動向から横ばいで推移するものとみられ14億5,899万円としました。また、一般会計からは、雨水整備等にかかる負担金として2億3,182万1千円、使用料収入等で不足する経費を補助金として2億5,817万9千円、合わせて4億9,000万円を繰り入れます。

 収益的支出は、前年度対比1.3%減の22億8,414万5千円とし、下水道施設の維持管理や荒川右岸流域下水道維持管理負担金などを見込んでいます。
なお、消費税及び地方消費税を除いた収益的収支については、当期純利益1億835万1千円を見込んでいます。

 資本的収入は、企業債3億1,600万円の借り入れなど、前年度対比59.0%増の3億2,000万3千円としました。

 資本的支出は、建設改良事業として汚水管渠布設工事や汚水管渠更生工事、また入間市公共下水道管路施設ストックマネジメント基本計画及び総合地震対策計画策定の継続事業を実施するほか、企業債の償還金などで、前年度対比11.0%増の12億809万6千円としました。

 なお、資本的収支の不足額8億8,809万3千円については、損益勘定留保資金等で補てんをします。

 以上、平成30年度当初予算の編成に当たっての考え方と重点施策の概要についてご説明申し上げました。

 これからの時代は国と同様、本市においても少子高齢化や人口減少の波という最大の壁に立ち向う中で行政運営を行っていくことになります。

 そういった意味からも、第6次入間市総合計画に基づき、入間市の将来を見据えた施策をより一層推進していく所存であります。

 特に、公共施設マネジメントは、入間市の未来を確かなものにする重要な取り組みであり、「元気な子どもが育つまち」の実現に向け選択と集中による効率的な行財政運営に全力で取り組む覚悟であります。

 このような厳しい壁を乗り越えるためには行政だけではなく、議員各位並びに市民の皆さまのご協力が不可欠であり、市政運営にあたっては、引き続きご指導、ご協力をお願い申し上げます。

 なお、この施政方針によりまして、議案第34号から議案第43号までの提案理由の説明に代えさせていただきます。

平成30年2月21日

入間市長 田中 龍夫

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