令和6年度施政方針

更新日:2024年03月13日

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1 予算編成の考え方

令和6年第1回市議会定例会において、令和6年度当初予算関係議案のご審議をお願いするに当たり、予算編成の考え方と施策の概要を申し述べ、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力をいただきたいと存じます。
我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の位置付けが5類感染症に移行したことで、過去最大の民間投資や30年ぶりの物価水準、インバウンド需要の目覚ましい回復に象徴されるように、社会経済活動が活気を取り戻し緩やかに回復しています。しかしながらその一方で、輸入物価の上昇に端を発する物価高の継続は、個人の生活や事業者の経営を圧迫しており、依然として厳しい状況にあります。
こうしたことから、国は、昨年11月2日に「デフレ完全脱却のための総合経済対策」を閣議決定し、30年ぶりのデフレ脱却に向けた好機が訪れる今、変革を力強く進める「供給力の強化」と、不安定な足元を固め、物価高を乗り越える「国民への還元」の2つを「車の両輪」として、日本経済が熱量溢れる新たなステージへ移行する、また、スタートダッシュを図るための総合的な経済対策を策定・実行し、「新しい資本主義」の実現に向けた取組をさらに加速するとしています。
こうした中、本市の令和6年度予算編成に当たり、歳入面においては景気が回復基調にありますが、市たばこ税、固定資産税などの減収により市税総額としては微減となり、県税交付金などの一般財源の大幅な増収も見込めないことから、適債事業には市債を最大限活用するとともに、初めて公共施設整備基金の活用を図りました。歳出面においては、「第6次入間市総合計画・後期基本計画」に基づく事業、「第2期入間市まち・ひと・しごと創生総合戦略」のテーマである「元気な子どもが育つまち」を目指す各種事業、また、東日本大震災、能登半島地震といった地震や風水害の備えとして、施設の耐震、避難所の防災機能強化、組織体制の充実など防災・減災対応を堅実に実施するとともに、新たに出現した様々な課題や社会変容に沿った事業についても的確に対応し、「SDGs未来都市計画」に掲げた取組、「公共施設マネジメント事業計画」に基づく事業など、未来に向けた投資も着実に行い、持続可能な市政運営を見据えた未来共創のまちづくりを進めていくための積極的な予算としました。
特に、緊急性・重要性を踏まえ「子育て・教育への投資」、「人への投資」、「公共施設マネジメントの推進」を重点施策として、こども医療費、ヤングケアラー支援、障害のある方への支援などの社会保障関係費、武道館・弓道場、地区体育館の改修や学校給食センターの更新、学校統合、新庁舎・市民協働棟の整備に対して的確・確実に予算措置しました。

2 予算の規模

令和6年度の各会計別の当初予算案は、ただいま申し上げました基本的な考えのもとに編
成し、一般会計の総額は、前年度対比6.7%増の512億3,500万円としました。
特別会計については、国民健康保険特別会計は被保険者の減少により減額となりましたが、後期高齢者医療特別会計は被保険者数の増、介護保険特別会計が保険給付費などの伸びによりいずれも増額となり、土地区画整理事業の特別会計については、予算規模としては前年度対比では減額となりますが、入間市駅北口土地区画整理事業特別会計では、昨年度に引き続き入間市駅北口駅前広場の早期開設に向けて事業進捗を図るなど、扇台土地区画整理事業特別会計を含め事業を着実に推進いたします。この結果、特別会計の総額を前年度対比0.4%増の313億7,375万円としました。
これにより、一般会計と特別会計を合わせた予算総額は、前年度対比4.2%増の826億875万円となりました。
なお、水道事業会計は前年度対比1.2%増の47億4,448万円、下水道事業会計は前
年度対比2.3%減の35億1,040万8千円としました。

3 歳入の概要

それでは、歳入の概要として歳入予算の主なものをご説明申し上げます。
市税は、景気の動向及び国の経済見通しなどを勘案して計上しました。県税交付金及び地
方交付税は、前年度の交付実績や総務省が示す「令和6年度地方財政対策」を勘案し、国庫支出金及び県支出金は、対象事業の交付基準などにより計上しました。市債は、適債事業を十分に精査した上で最大限の活用を図り計上しました。さらに不足する財源については、公共施設整備基金から6億4,000万円、財政調整基金から17億3,800万円を繰り入れることにより補てんしました。なお、両基金の繰り入れ後の残高は、公共施設整備基金を約11億6,600万円、財政調整基金を約21億5,700万円と見込んでおり、両基金を合わせた残高としては、約33億2,300万円となる見込みです。
この結果、歳入予算の内訳としては、市税215億8,698万1千円、地方消費税交付金35億円、地方交付税29億3,000万円、国庫支出金77億9,608万1千円、県支出金33億6,749万2千円、市債50億5,580万円、その他69億9,864万6千円としました。

4 施策の概要

 続いて、歳出について、第6次総合計画に掲げる施策の大綱ごとに、重点施策の概要を申し上げます。

始めに、「つながりを大切にしたまちづくり」について申し上げます。

人権施策の推進については、市民一人ひとりが互いを尊重し合い、平和で差別のない社会
の実現を目指し、各種啓発事業及び相談体制の充実を図ります。また、パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度の自治体間連携を推進し、人々の多様性を受け入れる社会の実現を図ります。
男女共同参画の推進については、「第5次いるま男女共同参画プラン」に基づき、働く女性・働きたい女性の支援を推進するなど、様々な分野で女性が活躍できる環境を整備します。
コミュニティ活動の推進については、地区センターを拠点として、各地域の実情に応じた
まちづくりを進めるために、地域コミュニティの中核を担う各区・自治会及び市民活動団体を支援し、市民が主体的にまちづくりに参画できるような環境を整備するとともに、多岐にわたる地域課題の解決を目指します。また、地区センターが拠点施設として機能できるよう、適正な維持管理に努めます。
また、外国人市民がより生活しやすくなるよう「やさしい日本語」を活用して情報提供を
行うとともに、相談体制の充実を図り、地域のコミュニティ活動などへの外国人市民の参加を促進するなど、多文化共生社会の推進を図ります。
国際交流の推進については、姉妹都市訪問団の派遣・受け入れを行うなど、国際交流協会
と連携して様々な事業を展開します。

次に、「学びあいのまちづくり」について申し上げます。

生涯学習の推進については、市民一人ひとりが生涯にわたって、いつでも、どこでも、主体的に学び続けることができるよう、学習情報の提供や学習機会の充実を図ります。
学校教育については、2つのキーワードを設定し、児童生徒を誰一人取り残さず、子どもの豊かな未来と今の幸せを創る入間市の教育を実践します。1つ目は、児童生徒への支援の充実です。特に不登校対策として、教育センター内で実施している適応指導教室では、様々な体験やタブレット端末を活用した補充学習を生かし、児童生徒の学校復帰を支援します。
また、NPO法人と連携し、オンラインによる不登校支援プログラムを提供します。さらに、保護者や教職員に対しては、専門家による研修会や講演会を開催し、家庭・学校を支援します。2つ目は、学力の向上です。一斉指導から脱却し、子どもが互いに聴き合い学び合う学習を展開します。また、適切なルールのもと教職員や子どもたち相互の信頼関係を深め、心理的安全性のある学級づくりを進めます。
子ども未来室事業については、児童発達支援センター「うぃず」との連携による保幼小の接続や本市の特色である小中一貫教育・中高連携を推進し、小1プロブレムや中1ギャップの解消を図ります。また、ユニバーサルデザインの視点を取り入れた教育を展開し、誰にでも分かりやすい授業づくりや教育活動を充実するとともに、教育と福祉と保健の連携をさらに推進します。
学校施設については、特別教室へのエアコン設置に向けた実施設計(令和5年度繰越明許費)や校舎及び屋内運動場のトイレ改修工事を計画的に実施し、児童生徒が快適に安心して学べる教育環境の整備に努めます。教職員用トイレについては、女子便所に続いて男子便所の改修工事を実施し、職場環境の向上に努めます。また、老朽化した校舎外壁などの改修工事を計画的に実施し、施設の長寿命化を図ります。
犯罪抑制対策として、小・中学校の敷地内に防犯カメラを計画的に設置し、児童生徒の安全確保に努めます。
西武地区中学校の統合に向け、統合する両校生徒の相互理解を深めるための生徒交流事業を進めるとともに、子どもたちが安心して通学できるよう、関係部署などと連携した通学路の安全対策に引き続き取り組みます。
学校給食については、子どものうちから地場農産物に触れる機会を増やすため、地産地消に取り組み、国内産食材の使用を原則として、厳選された旬の食材の持ち味を生かした手作りによる調理を実施します。また、学校給食衛生管理基準に基づく保菌検査や学校環境衛生管理基準に基づく水質検査など各種検査の実施、老朽化した給食調理機器などの更新を計画的に行い、安全で栄養バランスの取れたおいしい給食を安定的に提供します。
社会教育については、人権問題講演会などの学習機会を通じて人権教育の推進に取り組みます。また、学校・家庭・地域が連携・協働し、地域の教育力の向上を図ります。
公民館では、住民同士が生活課題や地域課題を解決するために、自立・協働・創造に向けて主体的に学ぶことができる多様で魅力的な学習機会の提供に取り組みます。また、コーディネート力を発揮し、住民同士の絆を結ぶ地域づくりを促進します。
学校と地域をつなぐ推進員(コ-ディネーター)を配置し、各校及び地域の実情に沿った地域学校協働活動を推進します。
放課後子ども教室については、就学児童の放課後の居場所として多様な学習・体験が行えるように受け入れ体制を充実し全ての小学校区で実施します。
博物館では、アリットフェスタ特別展の再開、地元企業との連携による新たな展示への取組、指定管理者との連携を強化したイベント事業の充実により来館者の増加を図ります。また、旧黒須銀行の復元修理工事を実施することで、貴重な文化財の保存を図るとともに、整備効果が最大限発揮される利活用の検討を行い、地域の活性化につなげます。
図書館では、快適な読書環境の維持管理を図るとともに、市民ニーズにあった図書館資料の提供に努めることにより、誰もが利用しやすいサービスの提供と充実を図ります。
生涯スポーツの推進については、学校、地域及び団体のほかスポーツアンバサダーなどと連携し、スポーツ・レクリエーション事業の充実を図り、市民の健康づくりを支援します。
また、安全・安心な体育施設を提供していくために、武道館・弓道場、地区体育館及び運動公園プールの改修工事を実施します。
《新たな取組》
西武地区中学校の統合については、西武中学校の建て替えに向け、既存校舎解体工事の実施設計及び新校舎建設工事の基本設計を行います。
学校給食センターの更新については、建設工事に着手し、事業を着実に進めます。また、学校給食費の公会計化については、私会計である小学校の給食費を公会計とし、将来的な完全公会計化に向けて取組を進めます。
令和5年度に策定した「スポーツ振興まちづくり条例」に基づき、アーバンスポーツなどのスポーツ大会の誘致に取り組みます。また、体育施設の整備については、中央公園のプール跡地の活用に向けた検討を開始します。

次に、「ささえあいのまちづくり」について申し上げます。

地域福祉については、「第4次入間市地域福祉計画」に基づき、住み慣れたところで誰もが支援につながり、助け合うことのできる地域共生社会の仕組みづくりを進めるとともに、社会福祉協議会と連携して、「ささえあい活動」など地域での福祉活動を支援します。また、「総合相談支援室」は、引き続き相談者の属性を問わない包括的な相談支援体制の構築に取り組むとともに、市民の身近な相談窓口である地区センターの「福祉総合相談窓口」とも連携して、地域福祉の向上に努めます。
生活支援については、生活困窮者自立支援事業を推進し、生活困窮者の自立に向けた支援
の充実を図ります。また、生活保護の適正な実施と、生活保護世帯の自立助長に努めます。
子ども・子育て支援については、「入間市子ども・若者未来応援プラン」に基づく施設型給付、地域型保育給付を継続するとともに、児童発達支援センター「うぃず」との連携強化をめざした新たな地域子育て支援拠点の整備など、地域子ども・子育て支援事業を推進します。
併せて、現行プランに「こどもまんなか社会」を見据えた「入間市こども計画」を包含するなど、次期計画の策定に取り組みます。
公立保育所などで、すべての子どもの発達支援に有効な「CLM(チェック・リスト・イン三重)と個別の指導計画」や「ペアレントトレーニング」を活用した適切な支援ができるように、研修体制の整備に取り組み、こどもたちに寄り添った保育を進めます。
「公共施設マネジメント事業計画」に基づく公立保育所整備事業として、金子第一保育所、第二保育所を統合し、新たに設置する「(仮称)金子保育所」の整備計画の策定に取り組みます。
保育所では、森林環境譲与税を活用した事業として、劣化した藤沢保育所の床の張り替え
を行うとともに木製玩具を購入し、幼少期からの自然とのふれあいの推進や環境教育の普及定着を図ります。
児童発達支援については、切れ目のない支援体制を確立するため、国立障害者リハビリテ
ーションセンター学院と連携し、児童発達支援センター「うぃず」の将来像を見据えた今後5か年の事業計画を策定し、適切な支援体制を整備します。
また、学童保育室整備事業として、老朽化に対応するため、扇・扇第二学童保育室の改修
工事を実施します。
高齢者支援については、「入間市第10次高齢者保健福祉計画」に基づき、要援護者等支援事業などを実施するとともに、援護が必要な高齢者の生活の安定と介護者負担の軽減を図ります。
障害者支援については、令和6年度から8年度を計画期間とする「入間市障がい者福祉プ
ラン」に基づき、障害者の基本的人権や意思決定を尊重し、すべての人が住み慣れた地域で安心して暮らすことができる共生社会の実現に向けて障害者福祉施策を推進します。また、相談支援センターりぼん及び就労支援センターりぼん、基幹相談支援センターなどが連携し、障害児・者が地域で自立した生活が送れるよう支援します。
母子保健施策の推進については、妊産婦及び乳幼児の心身の健康の保持を図るために妊産
婦・乳幼児の各種健康診査を実施し、支援の必要な方の早期発見に努めます。また、全ての妊婦・子育て世帯が安心して出産・子育てができる環境を整備し、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援の強化を図るため、伴走型相談支援及び出産・子育て応援給付金の一体的事業を実施してまいります。
予防接種については、昨年度開始した帯状疱疹予防接種への助成を継続し、市民の健康保
持・増進に努めます。今年度はHPVワクチン接種のキャッチアップ制度の最終年度となるため、接種を希望する方が漏れなく接種を行えるよう、周知に努めます。
また、令和6年度の新型コロナウイルスの予防接種については、65歳以上の高齢者など
を対象にした年1回の定期接種となる方針が国から示されたことから、入間地区医師会の協力のもと、接種体制を構築します。
健康づくりの推進については、新たに開始する「第4次健康いるま21計画」に基づき、
「健康と幸せを実感できるWell-being City いるま」を基本理念とし、健康寿命の延伸を目指して、健康診査、がん検診の受診率の向上及び健康相談、健康教育及び健康づくり事業の充実を図ります。
初期救急医療体制については、狭山市と協同で一週間を通じた準夜間帯における初期救急
患者への診療を実施します。
《新たな取組》
こども家庭センターを設置し、子ども家庭総合支援拠点と子育て世代包括支援センターの
「連携」からより一歩前へすすめ、地域の関係主体とつながりながら、サポートプランの作
成や利用勧奨・措置を行いながら子育て家庭をマネジメントし支援します。また、ヤングケ
アラー・コーディネーターを1 名増員し、こどもの意向に寄り添った支援を重視し、学校・関係機関と連携を図りながら適切な支援につなげてまいります。
子ども医療費については、10月から制度の対象年齢を通院、入院ともに18歳年度末ま
で拡大し、子どもの保健の向上と福祉の増進を図ります。
がん治療に伴う外見の悩みを抱えている方に対し、アピアランスケアの一環として「ウィ
ッグ」や「胸部補整具」の購入に要する経費を助成することによって、がん患者が安心して社会生活を送れるよう、支援を行います。
母子保健情報のデジタル化に着手し、スマートフォンを用いた問診やマイナポータルから
健診結果の確認が行える先行実施事業を行います。

次に、「住みやすく緑豊かなまちづくり」について申し上げます。

入間市駅前側留保地については、多くの市民が集まり入間市の顔となるような賑わいのあ
るまちを目指して、新たな「ジョンソン基地跡地留保地利用計画」などに基づき、活用に向け関係機関との調整を進めていきます。
道路については、上藤沢・林・宮寺間新設道路(第3工区)及び安川新道線の用地取得を進めていきます。
舗装補修事業、橋りょう補修事業については、「舗装補修計画」、「橋梁長寿命化修繕計画」に基づき計画的に実施します。
新産業用地創出事業については、圏央道青梅インターチェンジ北側の地域における工業系
土地利用の形成に向けた取組を推進します。
コミュニティバス(てぃーろーど、てぃーワゴン)をはじめとする地域公共交通について
は、「入間市地域公共交通計画」に基づき、引き続き持続可能な公共交通を目指します。また、「てぃーワゴン」の利用状況を把握するため、宮寺、二本木、武蔵藤沢駅コースにおいて、利用実態調査を行います。
自然環境の保全・活用については、管理を市民と行政との協働で推進するとともに、(仮称)加治丘陵さとやま自然公園の用地取得を引き続き進めていきます。
ゼロカーボンシティの推進については、住宅に太陽光発電や蓄電池など再生可能エネルギ
ーの活用を図る設備を設置する市民に対し、補助事業を実施するとともに、公共施設には、PPAによる太陽光発電設備の設置に取り組みます。
また、脱炭素社会に向けて市民への意識啓発を図るため、EV活用事業や行動変容アプリ
の活用などを推進します。
生活環境の維持と保全については、「第三次入間市環境基本計画」に基づき環境負荷の低減に向け、単独処理浄化槽やくみ取り便槽から合併処理浄化槽への転換を推進し、生活排水による河川の水質汚濁防止に取り組みます。
ごみ処理については、引き続きごみの減量・資源化を徹底するため、市民の意識啓発を図
るとともに、生ごみ処理機器の普及・促進に取り組みます。
《新たな取組》
人口減少・少子高齢化などの社会構造の変化に対応する持続可能なまちづくりを推進する
ため、「立地適正化計画」の策定に取り組みます。
公園については、引き続き施設の適正な維持管理に努めるとともに、「公園施設長寿命化計画」に基づく遊具の更新やパークPFIの活用など公園の質の向上や公園利用者の利便性の向上を図るための事業に取り組みます。
環境配慮型住宅の普及については、地域脱炭素移行・再エネ推進交付金を活用し、省エネ
ルギー化や再生可能エネルギーの活用を図る設備を設置した住宅を建築する事業者に対して補助金を交付します。

次に、「活気に満ちたまちづくり」について申し上げます。

農業の振興については、「おいしい狭山茶大好き条例」に基づき、茶業の振興を図るほか、農畜産物の地産地消や環境保全型農業を推進します。また、農地中間管理事業などにより担い手への農地集積に取り組みます。
商業の振興については、入間市商工会や商店街などを支援し、賑わいのあるまちづくりの
ため、空き店舗活用など創業支援に関する制度の有効的な活用を図ります。また、中小企業の経営基盤を強化するため、入間市商工会や入間市金融団、市の三者で連携して事業者支援に取り組みます。
工業の振興については、市内企業の発展につながる支援及び企業誘致戦略に基づき企業誘
致に取り組みます。また、地域課題の解決に向けて産業の支援・創出を推進します。
雇用の促進については、相談体制を充実させ、入間市ふるさとハローワークとの連携や就
職面接会の実施などにより地域雇用の促進を図ります。
観光の振興については、本市の地域資源である金子台の茶畑の景観を活かした「茶畑の景
観活用事業」において、狭山茶を五感で堪能できる体験型観光を実施するとともに、狭山茶のブランド力の向上を図ります。また、市内の魅力ある観光資源を最大限に活用した取り組みにより、地域の賑わいの創出と観光誘客を図ります。
市民文化の振興については、入間市最大のイベントである入間万燈まつりを、市民と行政
の協働のまちづくり事業として実施します。また、文化施設において、文化芸術による地域の魅力やまちづくりを発信します。
《新たな取組》
ナラ枯れ被害が拡大しているため、森林環境譲与税を活用した補助制度を創出し、ナラ枯
れ被害対策に取り組みます。
入間市駅を含む中心市街地の活性化を図り、経済や文化、社会活動などを活発化させるこ
とを目的に中心市街地活性化事業に取り組みます。

次に、「安全で安心してくらせるまちづくり」について申し上げます。

大規模災害など多様化する危機に備え、さらなる危機管理体制の充実を図るため、危機管
理対策本部(入間版FEMA)の設置に向け、新たに外部人材を「危機管理幹」として登用し、危機管理安全部を組織します。これにより関係機関との連携強化が期待できるほか、より専門的な研修などを通じて職員の危機管理対応能力の向上を図ります。
防災対策としては、「入間市地域防災計画」に基づき、地震災害をはじめ近年多発する風水害に備え、避難所開設を中心とした実践的な防災訓練を実施します。また、防災意識の向上を図るため、中学生などへの講習会を実施するとともに、災害が発生した際に避難行動要支援者の円滑な支援につながる個別避難計画の作成に関係機関・団体と連携して取り組みます。
消防については、安定的な消防力を維持するため、引き続き埼玉西部消防組合との連携協
力体制の強化に努めます。また、非常備消防体制の強化に向け安定した消防団活動を行うため、消防団員の諸活動に対し報酬を支給し、市民の安全・安心の確保に資するとともに、消防団員の新規加入につながるようホームページなどによる広報活動に努めます。さらに、埼玉県が実施する不老川緊急治水対策事業に関連した不老橋架け替え工事に伴い、当該場所に隣接する消防団第5分団第2部(藤沢地区)車庫の新設を行うほか、第5分団第1部(藤沢地区)に消防ポンプ自動車を更新整備します。
空家等の対策については、「第2次入間市空家等対策計画」に基づき、空家等の周辺の生活環境の安全が確保された安心して生活ができるまちの実現に努めます。
交通安全の推進については、「第11次入間市交通安全計画」に基づき、交通死亡事故の撲滅を目指します。関係機関・団体と連携し交通安全教育や啓発活動に取り組むとともに、交通安全施設の整備による交通安全対策に努めます。また、令和5年度に策定した「自転車活用まちづくり条例」に基づき、自転車を活用した健康的で魅力あるまちづくりを推進するとに、安全な自転車活用を進めるため、自転車用ヘルメットの着用率の向上を図ります。
防犯対策については、警察などの関係機関・団体と連携し、地域防犯活動を支援し、市民
の防犯意識の高揚を図ります。特に特殊詐欺について、積極的に防止対策を推進します。また、「入間市犯罪被害者等支援条例」に基づき、犯罪被害者及びその家族の支援を推進します。

次に、「計画の実現に向けて」について申し上げます。

市の公式ホームページを市政の新たな情報を発信するハブとして活用します。また、SN
Sやチラシなど、さまざまな情報媒体を活用して、市の魅力や活動を多角的に紹介していきます。
市が保有する個人情報などの取り扱いに細心の注意を払うとともに、情報セキュリティ対
策を徹底し、情報セキュリティの確保を図ります。
マイナンバーカードの普及を促進するとともに、「行かなくても済む市役所」の実現に向けて、行政手続のオンライン化をさらに拡充させるなど、DXの推進により市民サービス向上や業務最適化を図ります。
公共施設については、適切な形で将来世代に引き継いでいくことを目的とする公共施設マ
ネジメントの取組を推進します。「入間市公共施設マネジメント事業計画」に基づき、将来を見据えた各施設の再整備・再配置・維持管理について、引き続き市民の意向を踏まえながら着実に進めます。また、新庁舎等整備事業については、官民連携(DBO)手法により設計を進めるとともに、新庁舎の建設工事に着手します。
協働の推進については、多様化する地域課題を解決するために、市民や市民活動団体が地
区センターや市民活動センターを拠点として取り組んでいくための体制を整備するために、中間支援組織と連携して「住みよいまちづくり」の実現を目指します。
行財政運営については、引き続き厳しい状況が続いておりますが、「第6次入間市総合計画・後期基本計画」に基づく各種施策・事業の着実な実施に向けて、限られた財源を有効活用するとともに、財源確保を図ります。また、「入間市行政改革大綱・第2期実行計画」の基本理念である「行政サービスの最適化」を目指すため、個別改革進行プランにより行政改革を推進し、また、併せてDXを推進することで安定した行政運営と充実した行政サービスの提供を図ります。
選挙については、秋に市長選挙、令和7年3月には市議会議員選挙が執行されます。最も
身近な選挙であり、これからの市政の進路を決める重要な機会であることから、期日前投票制度の周知とともに若年層への啓発を推進し、投票率の向上を図ります。

5 特別会計・水道事業会計・下水道事業会計予算概要

 次に、特別会計、水道事業会計及び下水道事業会計の概要について申し上げます。

国民健康保険特別会計

国民皆保険の基盤である国民健康保険制度については、埼玉県国民健康保険運営方針に基づき、県内の保険税水準の準統一を図り、持続可能な医療制度の確立を目指すこととしており、令和9年度からの実現に向けて、県内各市町村が取り組んでいます。
令和6年度の国民健康保険特別会計の予算総額は、前年度対比1.0%減の143億
2,784万6千円としました。
歳入のうち国民健康保険税は、被保険者の減少などから減収が見込まれるものの、税率改定による増収を見込み、前年度対比3.2%増の30億9,262万2千円としました。また、一般会計繰入金は法定外を含め前年度対比17.6%減の9億3,138万9千円としました。
なお、税率改定による増収を見込みましたが、さらに不足する財源については、一般会計からの法定外繰入金1億7,132万5千円の繰り入れを見込み、調整を図りました。
歳出のうち保険給付費は、被保険者数が減少していることから、前年度対比0.9%減の100億7,068万2千円としました。また、県が市へ交付する普通交付金などの財源として、市が負担すべき国民健康保険事業費納付金については、前年度対比1.8%減の39億8,768万円としました。
令和6年度の国民健康保険事業は、非常に厳しい運営が想定されることから、今後も県との連携により、各種保健事業の推進に取り組み、事業の健全化・安定化を図ってまいります。

後期高齢者医療特別会計

後期高齢者医療制度は、平成20年4月の制度開始から16年が経過し、現在では広く市
民に定着した制度として安定的な事業運営を行っています。
特別会計の内容としては、市が収納した後期高齢者医療保険料などを後期高齢者医療広域
連合納付金として支出することを主な事業としています。
令和6年度は、高齢化の進展に伴う被保険者数の増加、及び2年に1度の保険料改定の年
度となることから、予算総額は前年度対比12.5%増の26億7,312万4千円としました。

介護保険特別会計

介護保険制度は、3か年ごとに策定する介護保険事業計画に基づき、高齢者が安心して暮
らせる地域共生社会の実現に向けて、介護サービスの充実を図っています。
令和6年度からスタートする「第9期介護保険事業計画」に基づき、高齢者が安心して暮
らせる地域共生社会の実現に向けて、介護サービスの充実を図ります。要介護認定者の増加やサービスの需要増に対応するため、介護保険料基準額(月額)を5,390円と見込みました。また、介護保険制度の安定的な運営を行うために介護給付適正化事業等を実施してまいります。
令和6年度の予算総額は、前年度対比1.2%増の122億2,248万円としました。こ
れは、要介護認定者の増加に伴い、保険給付費を前年度対比0.9%増の114億4,645万1千円としたことが主な理由です。
主な歳出である介護サービス給付費の抑制に向けて介護予防事業を実施するとともに、高
齢者が可能な限り住み慣れた地域で生きがいをもって生活できるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援の一体的提供と、高齢者を地域で支えていく地域包括ケアシステムの強化に取り組みます。具体的には、市内9か所の地域包括支援センターを核として、「入間市高齢者等地域ネットワーク推進会」などとの連携を図りながら、引き続き「介護予防・日常生活支援総合事業」、「在宅医療・介護連携推進事業」、「生活支援体制整備事業」、「認知症総合支援事業」、「地域ケア会議推進事業」を実施してまいります。

入間市駅北口土地区画整理事業特別会計

入間市駅北口周辺の市街地整備を目的とした本事業は、平成12年7月に事業計画変更の認可を受けて以来、逐次仮換地指定を行い、建物移転、街路築造工事などを実施しており、入間市駅北口駅前広場の早期開設に向けて引き続き事業推進を図ってまいります。
令和6年度の予算規模は、前年度対比6.9%減の17億2,500万円としました。主に、北口中央通り線街路築造工事や地下調整池設置工事(2年目)などの工事及び建物移転などを実施します。また、埼玉県とともに進めております霞橋及び関連道路の完成に向けて整備してまいります。これにより、令和6年度末における建物移転率は85.7%、道路整備率は40.1%になる見込みです。

扇台土地区画整理事業特別会計

扇台地区の市街地整備を目的とした本事業は、平成5年9月に事業認可を受けて以来、逐次仮換地指定を行い、建物移転、街路築造工事などを実施しています。
令和6年度の予算規模は、前年度対比7.1%減の4億2,530万円としました。主に、建物移転や街路築造工事、汚水管布設工事などを実施します。また、事業計画の変更も計画的に行います。これにより、令和6年度末における建物移転率は39.3%、道路整備率は46.9%になる見込みです。

水道事業会計

水道事業は、後期5年間の「入間市新水道ビジョン」に基づき、水道施設の維持管理や更
新を適切に行うとともに、効率的で安定した事業経営を確保するための取り組みを進めます。
業務予定量は、給水戸数6万9,700戸、年間総給水量1,562万2,800立方メート
ル、一日平均給水量4万2,802立方メートルとしました。
収益的収入は、前年度対比2.1%減の32億4万6千円とし、このうち水道料金については、近年の動向から、26億4,781万円としました。収益的支出は、前年度対比0.8%増の30億4,573万3千円とし、水道料金の徴収等業務、鍵山浄水場などの管理業務、県水の受水、漏水調査及び修理、量水器の検針及び取り替えなどを行い、安全でおいしい水づくりを推進します。なお、消費税及び地方消費税を除いた収益的収支については、当期純利益2,591万5千円を見込んでいます。
資本的収入は、企業債、区画整理事業区域内における配水管工事負担金などを見込み、前
年度対比16.5%増の6億7,560万1千円としました。資本的支出は、前年度対比
1.8%増の16億9,874万7千円を見込み、配水管の布設替工事や令和4年度から実施している鍵山浄水場の改修工事のほか、令和6年度までの継続事業として中期耐震化計画の策定及び藤沢配水場の改修工事を実施します。なお、資本的収支の不足額10億2,314万6千円については、損益勘定留保資金などで補てんをします。

下水道事業会計

下水道事業は、後期5年間の「入間市下水道事業中長期経営計画」に基づき、下水道施設
の維持管理や更新を適切に行うとともに、効率的で安定した事業経営を確保するための取り組みを進めます。
業務予定量は、水洗化戸数5万9,600戸、年間総排水量1,703万9千立方メートル、1日平均排水量4万6,682立方メートルとしました。
収益的収入は、前年度対比0.5%減の24億1,809万4千円とし、このうち使用料収
入は、近年の動向から15億2,491万3千円としました。また、一般会計からは、雨水整備などにかかる負担金及び補助金として4億円を繰り入れます。収益的支出は、前年度対比0.1%増の23億8,754万4千円とし、荒川右岸流域下水道維持管理負担金を見込むほか、維持管理事業として「入間市下水道ストックマネジメント計画」に基づく管路施設調査及び下水道管路施設の修繕などを実施します。なお、消費税及び地方消費税を除いた収益的収支については、当期純利益206万3千円を見込んでいます。
資本的収入は、企業債、国庫補助金などを見込み、前年度対比2.4%減の2億250万4千円としました。資本的支出は、前年度対比7.1%減の11億2,286万4千円とし、企業債の償還金を見込むほか、管渠改良事業として管渠布設工事や管渠改築工事、「入間市下水道総合地震対策計画」に基づく耐震診断、詳細設計及び耐震化工事、施設管理計画の策定などを実施します。なお、資本的収支の不足額9億2,036万円については、損益勘定留保資金などで補てんをします。

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