令和8年度施政方針

更新日:2026年03月17日

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1 予算編成の考え方

令和8年第1回市議会定例会において、令和8年度当初予算関係議案のご審議をお願いするに当たり、予算編成の考え方と施策の概要を申し述べ、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力をいただきたいと存じます。
我が国は、バブル崩壊後の長期にわたり継続したデフレと低成長から脱却し、名目GDPは600兆円を超え、賃上げ率も2年連続で5%を上回るなど、経済の好循環への道筋を描きつつある一方で、賃金の伸びは物価上昇に追いついておらず、食料品を中心とした物価上昇が家計を圧迫し、個人消費は力強さを欠いている状況にあります。
こうした現状に対し、国は、昨年11月21日に「強い経済を実現する総合経済対策」を閣議決定し、第1の柱として、物価高から暮らしと職場を守る「生活の安全保障」として物価高対策を最優先で実施するとし、第2の柱として、危機管理投資と成長投資を進め「強い経済」を実現するとともに、さらに、第3の柱として、防衛力と外交力の強化を図り、国民の安全と繁栄を支える「強い日本」を実現することを掲げました。これら3つの柱を基にできる限り速やかに関連する施策を実行し、切れ目のない経済財政運営を行うとしています。
こうした中、本市の令和8年度予算編成においては、歳入面では、社会情勢や経済指標などを勘案し市税を増額で見込むとともに、県税交付金や地方特例交付金なども前年より増額で見込みました。しかしながら、増え続ける社会保障経費や物価の高騰などを賄うだけの大幅な増収には至らなかったことから、市債を財源とすることができる事業には市債を最大限活用するとともに、公共施設整備基金の活用も図ることとしました。
それでも歳出の増大が、歳入の増加を上回る状況にあったことから、歳入・歳出の両面から歳入歳出乖離額の解消に努めてまいりましたが、なお不足する財源については財政調整基金からの繰入により対応せざるを得ないこととなりました。
歳出面では、「第6次入間市総合計画・後期基本計画」に基づく施策・事業、「第2期入間市まち・ひと・しごと創生総合戦略」のテーマである「元気な子どもが育つまち」を目指す各種施策・事業、また、「入間市SDGs未来都市計画」に掲げた取組、「入間市公共施設マネジメント事業計画」に基づく事業など、未来に向けた投資も着実に行い、持続可能な市政運営を見据えた未来共創のまちづくりを進めていくための予算としました。
特に、私の市長二期目就任時に所信表明で掲げた市政改革の3本の柱である「財政再建」、「未来投資」、「教育改革」を踏まえ、ふるさと納税などの歳入確保策、新産業団地の整備に向けた取組、「こどもまんなか社会」の視点に立った教育環境の整備、「入間市公共施設マネジメント事業計画」に基づく新庁舎の整備、小・中学校の再整備、地区センターの建替の実施設計や改修工事などに対し、重点的に予算措置しました。

2 予算の規模

令和8年度の各会計別の当初予算案は、ただいま申し上げました基本的な考えのもとに編成し、一般会計の総額は、前年度対比2.0%増の564億2,000万円としました。
特別会計については、国民健康保険特別会計は保険給付費の増加により、また後期高齢者医療特別会計は被保険者数の増加により、さらに介護保険特別会計は要介護認定者数の増加により、それぞれ増額となりました。土地区画整理事業特別会計は、予算規模としては前年度に比べほぼ横ばいとなりますが、入間市駅北口土地区画整理事業では入間市駅北口駅前広場の整備に着手するなど、扇台土地区画整理事業とともに事業の推進を図る予算としました。これらの結果、特別会計の総額を前年度対比4.5%増の321億6,106万4千円としました。
これにより、一般会計と特別会計を合わせた予算総額は、前年度対比2.9%増の885億8,106万4千円となりました。
なお、水道事業会計は前年度対比15.6%増の51億4,919万1千円、下水道事業会計は前年度対比18.8%増の41億6,167万2千円としました。

3 歳入の概要

それでは、一般会計における歳入の概要として、歳入予算の主なものをご説明申し上げます。
市税は、雇用環境や個人所得の改善などの社会情勢や、国の経済見通しなどを勘案し、225億7,688万8千円を計上しました。県税交付金及び地方交付税は、前年度の交付実績や国の動向などを勘案し、地方消費税交付金を36億円、地方交付税を30億3,000万円で計上し、国庫支出金及び県支出金は、対象事業の交付基準などにより、国庫支出金を92億4,999万4千円、県支出金を42億520万1千円で計上しました。市債は、適債事業を十分に精査した上で最大限の活用を図り、73億4,640万円を計上しました。不足する財源については、公共施設整備基金から1億7,000万円、財政調整基金から15億 5,000万円を繰り入れることにより補てんしました。なお、両基金の繰り入れ後の残高は、公共施設整備基金を約13億3,000万円、財政調整基金を約23億7,000万円と見込んでおり、両基金を合わせた残高としては37億円程度となる見込みです。

4 施策の概要

続いて、一般会計における施策の概要として、歳出予算について「第6次入間市総合計画」に掲げる施策の大綱ごとに、主なものをご説明申し上げます。

始めに、「つながりを大切にしたまちづくり」について申し上げます。

人権施策の推進については、市民一人ひとりが互いを尊重し合い、平和で差別のない社会の実現を目指し、各種啓発事業及び相談体制の充実を図ります。また、パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度のさらなる周知と推進に取り組み、多様性に富む包括的な社会の実現を図ります。
男女共同参画の推進については、「第5次いるま男女共同参画プラン」に基づき、働く女性・働きたい女性の支援を推進するなど、引き続きあらゆる分野で女性が活躍できる環境を整備します。
コミュニティ活動の推進については、地区センターを拠点としたまちづくり講演会を実施し、地域住民が主体となって各地域の実情に応じた問題や課題を考え、まちづくりに参画できるような環境を整備します。また、各区・自治会運営の行事・イベントなどへの支援として、自治会支援協力員を派遣します。さらに、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用し、物価高騰により影響を受けている区・自治会の運営及び事業にかかる費用の補助を行います(令和7年度繰越明許費)。
地区センターについては、拠点施設として機能できるよう適正な維持管理に努めます。また、東藤沢地区センターの改修工事を実施するほか、扇町屋地区センターの改修及び黒須地区センターの建替に向けた実施設計を行うなど、施設の建替・長寿命化を計画的に推進します。なお、黒須地区センターの工事期間中は、代替施設としてJAいるま野旧黒須支店をお借りして業務を行うことで、地域の方々への負担軽減に努めます。
多文化共生社会の推進については、外国人市民がより生活しやすくなるよう「やさしい日本語」や通信機器の翻訳機能などを活用した多言語の情報提供を行うとともに、地域のコミュニティ活動に外国人市民が参加しやすい環境づくりに努めます。
姉妹都市・友好都市との交流推進については、姉妹都市提携40周年を迎える新潟県佐渡市と、これまで以上に相互理解と親善を深めることを目的として、佐渡市を拠点に世界で活躍する太鼓芸能集団「鼓童」による記念公演のほか、入間万燈まつりにおいて姉妹都市提携40周年を祝うセレモニーや両市の芸能団体による公演、茶会などの記念事業を実施します。

次に、「学びあいのまちづくり」について申し上げます。

生涯学習の推進については、市民一人ひとりが生涯にわたって、いつでも、どこでも、主体的に学び続けることができるよう、学習情報の提供や学習機会の充実を図ります。
学校教育については、誰一人取り残さず、すべての子どもたちが自らの力で未来を切り拓き、社会の中で自分らしく活躍できる力を育むため、次の取組を中心に、子どもの豊かな未来と今の幸せを創る入間市の教育を実践します。
学力の向上については、新たに小学校5・6年生を対象に、「読み解く力」を伸ばすワークシートを活用した学習を導入します。また、落ち着いた学級づくりを基盤とした学校運営の推進と教職員の負担軽減を図るため、小学校に学力向上支援員を引き続き配置します。
子ども未来室事業については、小学校への滑らかな接続を目指し、未就学の子どもたちが抱える様々な「困り感」の解消に向けて、作業療法士、臨床心理士、言語聴覚士といった専門職による未就学施設への巡回支援に引き続き取り組みます。また、児童発達支援センター「うぃず」との連携を中心に、子どもたちの課題解決に向けて学校が福祉や保健、医療の専門家とつながり、それぞれの強みを生かした多面的な支援が行える体制づくりを推進します。
不登校対策については、不登校の未然防止策として、新たに「小・中学校に対する作業療法士、臨床心理士の巡回支援」及びスクールソーシャルワーカーの増員を実施し、児童生徒の学校生活への適応をサポートし、安心して学校生活を送ることができる環境づくりを推進します。
学校施設については、校舎のトイレ改修工事を実施するとともに、屋内運動場エアコン設置工事実施設計業務に取り組み、児童生徒が快適に安心して学べる教育環境の整備に努めます。また、校舎屋上防水改修工事を実施し、施設の長寿命化を図ります。
西武中学校については、新たな校舎の建設に向け、既存校舎などの解体工事を行います。また、宮寺・二本木地区小学校の統合については、学校統合委員会での協議を進めるとともに、現狭山小学校の建替に向けた基本計画の策定に取り組みます。
学校給食については、使用する食材は、国内産を原則に入間市産の使用を重視し、地産地消に取り組み、厳選された旬の食材の持ち味を生かした手作りによる調理を実施します。また、学校給食衛生管理基準及び学校環境衛生管理基準に基づく各種検査の実施、老朽化した給食調理機器などの更新を計画的に行い、質を維持し栄養バランスの取れた安心・安全で手作りのおいしい給食を安定的に提供します。
新設した学校給食センターでは、施設の本稼働に向けて準備を進め、2学期から給食の提供を開始します。また、現学校給食センターの解体工事に着手します。
社会教育については、講演会や講座などによる学習機会の提供に努めるとともに、各種文化事業やイベントによる文化芸術活動の奨励を図り、地域における学びと交流の促進を図ります。
公民館では、住民同士が生活課題や地域課題を解決するために、自立・協働・創造に向けて主体的に学ぶことができる多様で魅力的な学習機会の提供に取り組みます。また、学校・家庭・地域が連携・協働し、地域の教育力の向上を図るとともに、学校と地域をつなぐ推進員(コーディネーター)と公民館が連携し、各校及び地域の実情に沿った地域学校協働活動の更なる推進を図ります。
放課後子ども教室については、児童の放課後の居場所として、学校と連携し、全ての小学校区で様々な体験や交流活動などの機会を提供します。
博物館では、アリットフェスタ特別展の開催や、食文化ミュージアムとして事業の充実、学校・地域・地元企業などと連携した取組、指定管理者との連携を強化したイベント事業の充実により、来館者の増加を図ります。また、旧黒須銀行では、復元修理工事を完了させるとともに、地域や企業、周辺の文化財と連携した利活用を進め、地域の活性化につなげます。
図書館では、快適な読書環境の維持管理を図るとともに、市民ニーズに合った図書館資料の提供に努めることにより、誰もが利用しやすいサービスの提供と充実を図ります。また、指定管理者による、本館・分館の一体的な管理運営に向けて取り組みます。
生涯スポーツの推進については、「入間市スポーツ振興まちづくり条例」に基づき、関係団体や地域及び学校のほか、事業者などと連携し、スポーツ事業の充実を図り、市民の健康づくりを支援します。

次に、「ささえあいのまちづくり」について申し上げます。

地域福祉については、「第4次入間市地域福祉計画」に基づき、重層的支援体制整備事業などの地域共生社会の実現に向けた取組を、社会福祉協議会などの関係機関と連携して行います。
総合相談支援については、総合相談支援室と地区センターの「福祉総合相談窓口」などが連携し、各地域で様々な相談ができる体制の強化と、相談者の属性を問わない包括的な相談支援体制の充実を図ります。
生活支援については、生活困窮者自立支援事業を推進し、生活困窮者の自立に向けた支援の充実を図ります。また、生活保護システムの電子化により事務の効率化を図り、生活保護の適正な実施と、生活保護世帯の自立助長に努めます。
こども支援については、「入間市こども計画」に基づき、こどもが健やかに育ち、安心して子育てができる「こどもまんなか社会」を目指して、地域子ども・子育て支援事業や、保育施設などに対する施設型給付、地域型保育給付などを引き続き実施します。また、新規事業として、令和8年4月から全てのこどもの育ちを応援し、こどもの良質な成育環境を整備するとともに、全ての子育て家庭に対して、保護者の多様な働き方やライフスタイルにかかわらない形での支援を強化するため、国のこども誰でも通園制度のための乳児等支援給付を実施します。
民間保育所整備費補助金については、昨年度に引き続き市内私立幼稚園の認定こども園への移行に対して整備費補助金を交付するとともに、新たに2施設の整備を支援し、低年齢児の待機児童の解消を目指します。
学童保育事業については、公設公営学童保育室を民営化し、より充実した育成支援を図ります。
こども家庭センターについては、母子保健と児童福祉に関する相談や支援を一体的に担い、学校や地域と連携を図りながら、全てのこども・妊産婦と子育て世帯に対する切れ目のない支援と、虐待への予防に取り組みます。
ヤングケアラー支援については、日本初の条例制定から3年間の取組で見えてきた課題の解決に向けて、本市で開催した「全国ヤングケアラー支援シンポジウム2025 from入間」において発表した新たな施策を展開し、ヤングケアラーに対する網羅的・効果的なサポートを提供します。
児童発達支援については、「入間市児童発達支援センター事業計画(第2期)」に基づき、福祉・子育て・教育が一体となり、関係機関と連携を図りながら、全てのこどもが地域の中で自立に向けて成長できるよう、切れ目なく一貫した支援を行います。
高齢者支援については、「入間市第10次高齢者保健福祉計画」に基づき、要援護者等支援事業などを実施するとともに、「入間市第11次高齢者保健福祉計画」の策定を行い、援護が必要な高齢者の生活の安定と介護者負担の軽減を図ります。
障害者支援については、障害者の基本的人権や意思決定を尊重し、すべての人が住み慣れた地域で安心して暮らすことができる共生社会の実現に向け、「入間市障がい者福祉プラン」に基づき、障害者福祉施策を推進していくとともに、次期プランの策定に取り組みます。また、相談支援センターりぼん及び就労支援センターりぼん、基幹相談支援センターなどが連携し、障害児・障害者が地域で自立した生活を送ることができるよう支援します。
母子保健施策の推進については、妊産婦及び乳幼児の心身の健康の保持増進を図るために妊産婦・乳幼児の各種健康診査を実施し、支援が必要な方の早期発見に努めます。また、全ての妊婦・子育て世帯が安心して出産・子育てができる環境を整備し、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援の強化を図るため、妊婦等包括相談支援及び妊婦支援給付金の一体的事業を実施します。
予防接種については、新たに令和8年度から妊婦を対象にRSウイルス感染症に対する母子免疫ワクチンの定期接種が開始されるため、対象者への確実な周知と接種を進めてまいります。また、令和8年度から高齢者インフルエンザ定期接種において、75歳以上の方に対して高用量インフルエンザワクチンの使用が追加されるため、対象者が適切にワクチンを選択できるよう、医療機関と連携しながら周知に努めます。
健康づくりの推進については、「第4次健康いるま21計画」に基づき、「健康と幸せを実感できるWell-being City いるま」を基本理念とし、健康寿命の延伸を目指して、健康診査、がん検診の受診率の向上及び健康相談、健康教育及び健康づくり事業の充実を図ります。
初期救急医療体制については、狭山市と協同により、一週間を通して準夜間帯における初期救急患者の診療を実施します。

次に、「住みやすく緑豊かなまちづくり」について申し上げます。

入間市駅前側留保地については、多くの市民が集まり入間市の顔となるような賑わいのあるまちを目指して、「ジョンソン基地跡地留保地利用計画」などに基づき、活用に向けた具体的な土地利用の方針などについて、引き続き検討を進めるとともに、関係機関との調整を進めていきます。
新産業用地創出事業については、本市の未来を支える経済基盤の強化に向けて、市内経済の成長を促進し、雇用の拡大を図るための工業系土地利用の取組を推進します。
道路整備については、上藤沢・林・宮寺間新設道路(第3工区)及び安川新道線の道路築造工事を進めていきます。
舗装補修事業、橋りょう補修事業については、「舗装長寿命化修繕計画」、「橋梁長寿命化修繕計画」に基づき計画的に実施します。
公園については、引き続き施設の適正な維持管理に努めるとともに、「入間市公園施設長寿命化計画」に基づく遊具の更新などにより、公園の質の向上や公園利用者の利便性の向上を図ります。また、狭山台地区近隣公園パークPFI事業については、官民連携による公園一体型スーパーマーケットの整備を、令和10年3月末の完成に向けて推進していきます。
コミュニティバス(てぃーろーど、てぃーワゴン)をはじめとする地域公共交通については、「入間市地域公共交通計画」に基づき、コミュニティバス再編の検討及びデマンド交通導入に向けての検討を行い、引き続き持続可能な公共交通を目指します。
加治丘陵の保全・活用については、市民と行政との協働で推進していきます。
ゼロカーボンシティの推進については、住宅に太陽光発電や蓄電池など再生可能エネルギーの活用を図る設備を設置する市民に対し、補助事業を実施するとともに、環境配慮型住宅の普及促進を目的に、断熱・省エネ・創エネ効果を実現するZEH住宅の建築を支援します。また、公共施設には、PPAによる太陽光発電設備の設置に引き続き取り組むとともに、公用EVを市民とカーシェアリングし、脱炭素社会に向けた市民への意識啓発を図ります。
サーキュラーエコノミー及びカーボンニュートラルの推進については、総合クリーンセンターの公用車にリユースEVを導入して実証実験を行うとともに、学校給食などで排出される廃食油をバイオディーゼル燃料にリサイクルして同センターの車両に活用します。
生活環境の維持と保全については、「第三次入間市環境基本計画」に基づき、きれいな水質の保全に向け、単独処理浄化槽やくみ取り便槽から合併処理浄化槽への転換を推進し、生活排水による河川の水質汚濁防止に取り組みます。
ごみ処理については、引き続きCO2排出による環境への負荷軽減やごみの減量及び資源化を推進するため、民間企業と連携したリユースやリサイクルの更なる普及・活用促進を図るとともに、市民の意識啓発に取り組みます。

次に、「活気に満ちたまちづくり」について申し上げます。

農業の振興については、「おいしい狭山茶大好き条例」に基づき、大阪・関西万博における「LOCAL JAPAN展」に出展した経験を活かして狭山茶のブランド力強化を図るとともに、市内産狭山茶の全国的な知名度の向上と、販路拡大を図ります。また、茶業者の碾茶生産への転換を支援し、経営の安定化と茶の高付加価値化を図ることで、地域農業の持続的発展につなげます(令和7年度繰越明許費)。その他、地産地消や環境保全型農業を推進するため、朝市やマルシェの開催を支援することで、市民と農業者の交流による農畜産物の消費拡大を目指します。また、地域計画に基づき農地中間管理事業を活用して農地の集約化を進めるほか、農業を担う人材の確保や新規就農者の支援に取り組みます。
ナラ枯れ被害については、森林環境基金を活用した補助制度により、ナラ枯れ被害対策を実施します。
商業の振興については、賑わいのあるまちづくりのため、入間市商工会や商店街などを支援し、空き店舗活用など創業支援に関する制度の効果的な活用を図ります。また、中小企業の経営基盤を強化するため、入間市商工会や入間市金融団、市の三者で連携して事業者支援に取り組みます。
工業の振興については、市内企業の発展につながる支援及び「入間市企業誘致戦略」に基づき企業誘致に取り組みます。また、地域課題の解決に向けて産業の支援・創出を推進します。
雇用の促進については、相談体制を充実させ、入間市ふるさとハローワークとの連携により地域雇用の促進を図ります。
観光の振興については、本市の地域資源である金子台の茶畑の景観を活かした「茶畑の景観活用事業」において、狭山茶を五感で堪能できる体験型観光を実施するとともに、狭山茶のブランド力の向上を図ります。また、市内の魅力ある観光資源を最大限に活用した取組により、地域の賑わいの創出と観光誘客を図ります。
市民文化の振興については、入間市最大のイベントであり、ふるさと入間の秋の風物詩である「入間万燈まつり」を、市民と行政の協働のまちづくり事業として実施します。また、文化施設において、文化芸術による地域の魅力やまちづくりを発信します。
産業文化センターについては、ホールにおける文化・芸術活動を止めないため、空調熱源機器の改修を4月から5月にかけて行います(令和7年度繰越明許費)。

次に、「安全で安心してくらせるまちづくり」について申し上げます。

多様化する危機に備え、引き続き、危機管理体制の一層の充実を図ります。
防災対策については、地震災害のほか、近年、激甚化・頻発化する豪雨災害に備え、職員を対象とした避難所運営図上訓練や実地訓練などを実施します。また、市民の皆様には、要望に応じた防災講座などを実施することにより、防災意識及び危機管理対応能力の向上を図ります。さらに、実災害を想定し、避難所の開設・運営を中心とした実践的な防災訓練及び武力攻撃事態などに備えた国民保護訓練を実施します。あわせて、避難行動要支援者の円滑な支援につなげるため、個別避難計画の作成に向け、関係機関・団体と連携して取り組みます。
消防については、安定的な消防力を維持するため、引き続き、埼玉西部消防組合との連携・協力体制の強化に努めます。また、地域防災の要となる消防団では、団員の技術の研さん、団の組織力強化などを目的に3年に1度の消防ポンプ操法大会を実施するとともに、団員が安全に活動を行えるよう、活動服を一斉更新します。さらに、消防フェアの実施や消防団カードの配布、地域や学校との連携に基づく事業展開など、市民の皆様に消防団活動への理解を深めていただくための機会を創出し、消防団員の新規加入につながる実行力のある取組を、消防団と連携して進めます。
空家等の対策については、「第2次入間市空家等対策計画」に基づき、空家等の周辺の生活環境の安全が確保された安心して生活ができるまちの実現に努めます。
交通安全の推進については、国及び県が定める上位計画を踏まえた「第12次入間市交通安全計画」の策定に取り組み、交通安全意識の高揚及び交通死亡事故の撲滅を目指します。交通ルールの遵守及びマナーの向上を促進するため、関係機関・団体と連携し、交通安全教育や啓発活動に取り組むとともに、交通安全施設の整備による交通安全対策に努めます。特に、自転車の交通反則通告制度(いわゆる「青切符」)及び生活道路における法定速度の時速30キロメートルへの引下げについて、計画的な周知・啓発に取り組みます。また、「入間市自転車活用まちづくり条例」の基本理念に基づき、関係団体などとの相互連携により、安全教育をはじめとする施策に取り組み、自転車を活用した、健康的で魅力あるまちづくりを推進します。
防犯対策については、警察やその関係機関・団体及び地域の防犯活動団体と連携し、犯罪情報の発信やパトロールによる注意喚起などにより、市民の防犯意識の高揚を図るとともに、日々変化する犯罪情勢に対応した対策を推進します。また、「入間市犯罪被害者等支援条例」に基づき、犯罪被害者及びその家族の支援を推進するため、制度の周知を進めるとともに、関係機関と連携した適切な支援に努めます。

次に、「計画の実現に向けて」について申し上げます。

市公式ホームページを市政情報発信のハブとして活用するとともに、SNSや広報誌など、さまざまな情報媒体を活用して、市の魅力や活動を多角的に紹介していきます。
市が保有する個人情報などについては、引き続き適正な管理を徹底するとともに、情報セキュリティ対策を強化し、市民が安心して行政サービスを利用できるよう取り組みます。マイナンバーカードの利活用を推進するとともに、「行かなくても済む市役所」の実現に向け、行政手続のオンライン化や、窓口における手続負担の軽減を一層進めるなど、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進により、市民サービス向上や業務の効率化・最適化を図ります。
公共施設については、持続可能なまちづくりを実現すること、及び、将来世代に負担を先送りしないことを目的とした「入間市公共施設マネジメント事業計画」に基づく各施設の再整備・再配置・維持管理を着実に進めます。
協働の推進については、多様化する地域課題の解決に向け、市民や市民活動団体が地区センターや市民活動センターを拠点として取り組むことができる体制を整備し、「住みよいまちづくり」の実現を目指します。
行財政運営については、厳しさを増している状況にありますが、令和8年度が計画期間の最終年度となる「第6次入間市総合計画・後期基本計画」におけるまちづくりの目標である「みんなでつくる 住みやすさが実感できるまち いるま」の実現に向けて、各種施策・事業に着実に取り組んでいきます。また、中長期的視点に立ち、限られた財源を有効活用するとともに、財源確保の徹底を図ります。さらに、「入間市行政改革大綱」の基本理念である「行政サービスの最適化」を目指すため、受益者負担の適正化・公平化を図るとともに、「いるまドック」を中心とした事務事業の評価と見直し、DXを推進することで、持続可能な行政運営と充実した行政サービスの提供を図ります。

5 特別会計・公営企業会計予算概要

 次に、特別会計及び公営企業会計の概要について申し上げます。

国民健康保険特別会計

国民皆保険の基盤である国民健康保険制度については、埼玉県国民健康保険運営方針に基づき、持続可能な医療制度の確立を目指し、令和9年度からの保険税水準の準統一に向け、段階的に税率の改定に取り組んでまいりました。令和8年度は、県が示す標準保険税率へ統一します。
令和8年度の国民健康保険特別会計の予算総額は、前年度対比4.0%増の145億 8,800万3千円としました。
歳入のうち国民健康保険税は、被保険者の減少が続いていますが、税率改定及び子ども・子育て支援金分の新設による増収を見込み、前年度対比16.2%増の34億1,074万円としました。また、一般会計繰入金は、前年度対比11.3%減の8億2,941万円としました。
なお、国民健康保険の安定した運営に向け、必要な支出を国民健康保険税や国庫負担金などで賄うことにより、法定外繰入金の解消を図りました。
歳出のうち保険給付費は、被保険者数が減少しているものの、高齢化や医療の高度化の影響により、前年度対比3.3%増の101億7,317万7千円としました。また、県が市へ交付する普通交付金などの財源として、市が負担すべき国民健康保険事業費納付金については、子ども・子育て支援金分の新設に伴い、前年度対比6.8%増の41億5,589万5千円としました。
国民健康保険事業は、今後も非常に厳しい運営が想定されることから、医療費の適正化や国民健康保険税の収納率の向上に努めてまいります。また、引き続き特定健康診査の受診率向上や生活習慣病重症化予防など保健事業の推進に取り組み、事業の健全化・安定化を図ります。

後期高齢者医療特別会計

後期高齢者医療制度は、平成20年4月の制度開始から18年が経過し、現在では広く市民に定着した制度として安定的な事業運営を行っています。
特別会計の内容としては、市が収納した後期高齢者医療保険料などを後期高齢者医療広域連合納付金として支出することを主な事業としています。
令和8年度は、高齢化の進展に伴う被保険者数の増加により、予算総額は前年度対比 14.4%増の31億386万9千円としました。
高齢者の健康寿命の延伸に向けて、疾病予防やフレイル対策などの介護予防の取組として、後期高齢者健康診査の受診率向上、個別的支援及び通いの場などへの支援を関係機関と連携を図りながら事業を展開します。

介護保険特別会計

介護保険制度は、高齢者の暮らしを支える社会保障制度として、着実に事業を実施しています。
令和8年度は、「入間市第9期介護保険事業計画(令和6年度~8年度)」の最終年度となり、同計画に基づき、介護保険制度の持続可能性を維持しながら、高齢者が安心して暮らせる地域共生社会の実現に向けて、介護サービスの充実を図ります。
令和8年度の予算総額は、前年度対比4.6%増の129億4,419万2千円としました。これは、要介護認定者などの増加に伴い、保険給付費を前年度対比6.5%増の123億6,796万5千円としたことが主な理由です。
主な歳出である介護サービス給付費については、その伸びの抑制に向けて介護予防事業を着実に実施します。ケアプランの点検などにより介護給付の適正化を図るとともに、要介護認定調査内容の点検などを行い、適切かつ公平な要介護認定を確保し、効率的で安定した介護保険制度の運営に努めます。
また、市内9か所の地域包括支援センターを中核として、関係機関との連携を図りながら、高齢者が住み慣れた地域でいつまでも自分らしく生活できるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援の一体的提供と、高齢者を地域で支えていく地域包括ケアシステムの一層の強化に取り組みます。

入間市駅北口土地区画整理事業特別会計

入間市駅北口周辺の市街地整備を目的とした本事業は、平成12年7月に事業計画変更の認可を受けて以来、逐次、仮換地指定を行い、建物移転、街路築造工事などの実施に加え、令和10年度の入間市駅北口駅前広場の開設に向け、令和8年度より3か年の継続事業として予算措置を行い、着実な整備を実施してまいります。
令和8年度の予算規模は、前年度対比9.5%減の12億1,300万円としました。主に、入間市駅北口駅前広場整備事業(1年目)や国道16号を横断する歩道橋設置工事(上部工、1年目)などの工事及び建物移転などを実施します。これにより、令和8年度末における建物移転率は91.6%、道路整備率は44.9%になる見込みです。

扇台土地区画整理事業特別会計

扇台地区の市街地整備を目的とした本事業は、平成5年9月に事業認可を受けて以来、逐次、仮換地指定を行い、建物移転、街路築造工事などを実施しています。
令和8年度の予算規模は、前年度対比2.8%増の3億1,200万円としました。主に、建物移転や街路築造工事、汚水管布設工事などを実施します。また、事業計画の変更に基づき、具体的な事業見直しを引き続き調整、検討していきます。これにより、令和8年度末における建物移転率は40.5%、道路整備率は47.3%になる見込みです。

水道事業会計

水道事業は、県水の値上げや水道管の耐震化等、水道施設の老朽化による断水事故を未然に防止するため、平成11年に料金改定を行って以来の水道料金の改定を予定しております。また、後期5年間の「入間市新水道ビジョン」に基づき、水道施設の維持管理や更新を適切に行うとともに、効率的で安定した事業経営に取り組みます。
業務予定量は、給水戸数7万300戸、年間総給水量1,587万7,140立方メートル、1日平均給水量4万3,500立方メートルとしました。
収益的収入は、前年度対比14.7%増の35億6,907万9千円とし、このうち水道料金は30億6,498万7千円としました。収益的支出は、前年度対比12.2%増の33億9,347万7千円とし、県水の受水費を見込むほか、鍵山浄水場などの管理業務、水道料金の徴収等業務、漏水調査及び修理、量水器の検針及び取り替えなどを実施します。なお、消費税及び地方消費税を除いた収益的収支は、当期純利益1億1,362万9千円を見込んでいます。
資本的収入は、企業債、区画整理事業配水管工事負担金などを見込み、前年度対比8.5%増の7億2,924万9千円としました。資本的支出は、前年度対比23.0%増の17億5,571万4千円とし、企業債の償還金を見込むほか、硬質塩化ビニル管布設替事業、送水管整備事業、重要幹線整備事業などを実施します。なお、資本的収支の不足額10億2,646万5千円は、損益勘定留保資金などで補てんします。

下水道事業会計

下水道事業は、県への流域下水道維持管理負担金の増加等と、全国で発生している下水道管による事故を未然に防止するため、平成18年に使用料改定を行って以来の下水道使用料の改定を予定しております。また、後期5年間の「入間市下水道事業中長期経営計画」に基づき、下水道施設の維持管理や更新を適切に行うとともに、効率的で安定した事業経営に取り組みます。
業務予定量は、水洗化戸数6万100戸、年間総排水量1,453万立方メートル、1日平均排水量3万9,808立方メートルとしました。
収益的収入は、前年度対比4.6%増の24億7,482万5千円とし、このうち使用料収入は、近年の動向から16億7,094万9千円としました。また、一般会計から雨水整備などに係る地方公営企業繰出基準に基づく負担金を繰り入れます。収益的支出は、前年度対比6.0%増の24億5,429万3千円とし、荒川右岸流域下水道維持管理負担金を見込むほか、管路施設の調査業務及び修繕、内水ハザードマップの作成などを実施します。なお、消費税及び地方消費税を除いた収益的収支は、当期純損失4,296万4千円を見込んでいます。
資本的収入は、企業債、国庫補助金などを見込み、前年度対比215.6%増の6億 6,505万2千円としました。資本的支出は、前年度対比43.9%増の17億737万9千円とし、企業債の償還金を見込むほか、管路施設の耐震化工事、老朽化対策による管渠改築工事などを実施します。なお、資本的収支の不足額10億4,232万7千円は、損益勘定留保資金などで補てんします。

以上、令和8年度当初予算編成に当たっての考え方と重点施策の概要についてご説明申し上げました。

雇用環境や個人所得の状況は改善傾向にあるものの、生産年齢人口の減少により、一般財源の大幅な増収は見込めないにもかかわらず、社会保障経費は令和8年度も大幅に伸びている状況にあります。また、エネルギー価格をはじめとする物価高騰や人件費の上昇などが継続する社会情勢のなかで、まちづくりの拠点となる地区センターの整備や新西武中学校建設に向けた旧校舎の解体といった「入間市公共施設マネジメント事業計画」に基づく取組、入間市駅北口土地区画整理事業など、多くのプロジェクトが同時期に重なってきていることから、令和8年度の予算編成についても引き続き、大変厳しいものとなりました。
一方で、地震などの自然災害への備え、安全で安心な市民生活を守る施策、「こどもまんなか社会」実現のための子ども・子育て支援施策、自分らしく活躍できる力を育む教育施策の充実などについても確実に推進していかなければなりません。併せて、「入間市SDGs未来都市計画」に基づく目標達成のための取組や人口減少対策など、入間市の未来を見据えた各種事業についても着実に進めていく必要があります。厳しい財政状況ではありますが、市政改革の3本の柱である「財政再建」、「未来投資」、「教育改革」については、入間市の持続可能な行財政運営や入間市の未来にとって重要な取組であると考えており、実効性のある行財政改革を進めることで、真に必要な施策を確実に推進し、未来共創のまちづくりを進めてまいります。
令和8年度も100年後の未来を見据えながら、令和9年度からの「次の10年間」に向けた次期「入間市総合計画」、「入間市まち・ひと・しごと創生総合戦略」、「入間市行政改革大綱」といった重要計画の策定を進めてまいります。
昭和41年11月1日、本市に市制が施行され、令和8年は60周年を迎える記念すべき年です。これまでの約60年間、市民、事業者、市が一体となって築き上げてきた資産を再定義するとともに、これからの100年間に向けた新たな価値を共に創造することが必要であり、令和8年を「未来の原風景を創造する」新たなスタートの年と位置付けて、各種施策・事業に取り組んでまいります。
市民の皆様のお声を大切に、共に考え、共に行動して、一緒に未来の入間市を創ってまいりますので、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
なお、この施政方針によりまして、議案第31号から議案第38号までの提案理由の説明に代えさせていただきます。

令和8年2月13日
入間市長 杉 島 理一郎

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