78 刀銘「繁慶(はんけい)」

更新日:2023年03月31日

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埼玉県指定文化財(有形文化財・工芸品・昭和29年10月23日)

「繁慶」と銘が刻まれた日本刀の茎の写真

 野田善四郎繁慶は、三河に生まれ、江戸に出て鉄砲鍛冶を学び、徳川幕府のお抱え鍛冶になっています。その後家康の隠居に従って駿府へ同行し、刀鍛冶としても腕を振るい始めました。銘は「野田善清尭(きよたか)」「日本善清尭」など4種が確認されています。「繁慶」の銘は、主に家康没後江戸に戻って鉄砲町に住み、刀鍛冶に専念してからのものです。
 繁慶の刀は、刃の部分から茎に移る境目の区切りの差が極めて大きく、茎の先も刀の切先のように尖っています。刀身そのものは、形がやや広いところ以外は特に他の刀匠との違いはなく、地鉄と刃文に特徴があります。鍛練は粗い感じですが、地鉄は極めて変化に富んだ鍛え肌が目立ちます。刃文は地鉄に伴って変化が多く、縞模様などの働きが盛んに見られる独特のものがあります。
 本刀は、繁慶の優れた出来口を示した名刀です。

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