29 建長五年銘(めい)板碑(いたび)

更新日:2023年03月31日

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複雑な文様に頭部が三角形の石碑の写真とそれを写しとったスキャン写真

建長五年銘板碑(写真・拓本)

市指定文化財(考古資料・平成2年4月1日)

 板碑とは、中世に作られた石造の卒塔婆(そとば)で、板石塔婆(いたいしとうば)ともいう。石材は、緑泥石片岩(りょくでいせきへんがん)(通称・青石:あおいし)を用いている。仏子から飯能市阿須に行く道を西に入った墓地に、阿弥陀三尊種子(あみださんぞんしゅじ)板碑がある。高さ166センチメートルで、鎌倉時代の建長5年(1253)12月7日銘があり、初期大型板碑の典型である。市内では高正寺の板碑に次いで3番目に古い。銘文から、「平高治(たいらのたかはる)」の供養のため造立された板碑である。平姓は村山党の本姓であることから、高治は金子氏の一族である可能性が高い。
 主尊の阿弥陀種子は縦40センチメートルもあり、脇侍(きょうじ)の観音・勢至種子に比べて大きいのが特色である。また頭部の山形が鋭角で、同様の形式の板碑は同じ村山党に属する宮寺氏の館跡(現・西勝院墓地)にも見られる。

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