66 鉄造不動明王立像

更新日:2023年03月31日

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燃え盛る炎を後ろに立つ不動明王の鉄造の写真

市指定文化財(有形文化財・平成22年6月1日)

 この像は、 豊岡にある長泉寺の鉄造不動明王立像です。
 像高が48センチメートル、台座総高が17.8センチメートル、光背総高が66センチメートルです。頭部に莎髻(さけい)をもち、左肩に弁髪(べんぱつ)を垂らし、胸飾(むねかざり)・臂釧(ひせん)・腕釧(わんせん)・足釧(そくせん)をともに鋳出しています。目は通常とは逆の右目をすがめており、いわゆる天地眼です。右手は腰位置で剣をとり、左手は臂(ひじ)を軽く曲げて、羂索(けんざく)をもっています。上半身に条帛(じょうはく)、下半身に裳(も)を身に着けています。なお、岩座(がんざ)および木製の台座光背は後世に製作されたものです。
 造りは鋳鉄製で、前後の合わせ型を用い、頭頂から足枘(あしほぞ)までを一鋳しています。左上膊部(はくぶ)に継ぎ目があり、鋳造時に欠損したものと考えられ、鑞付(ろうづけ)されています。鋳造時の鋳ばりや型のずれが少なく鉄仏としては良作です。
 製作時期は、像の作風から室町時代と考えられます。明和年間(1764-1772)に寺が火災に遭った時に一昼夜火中にあったと伝わり、全体に熱を受けた跡や一部剥落したところが残されています。鉄仏は全国でも現存するものは少数で、入間市でもこの像一体のみです。

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