81古谷重松奉納祭囃子祭礼図絵馬(ふるやじゅうまつほうのうまつりばやしさいれいずえま)

更新日:2023年05月11日

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人形山車や短冊がついた大榊を大勢の人が曳いて久保稲荷神社に向かう様子が描かれている絵馬の写真

市指定文化財(有形民俗文化財・令和5年4月1日)

 市内豊岡地区に所在する久保稲荷神社は、古くから信仰が盛んで、近郷近在だけでなく江戸にも信者が広がり、社務所や境内には奉納された多くの品々が残っている。

その一つに、「所澤植ノ宿古谷重松太鼓連中」が明治7年(1874)2月に奉納した縦92センチ、横189センチの大絵馬がある。

奉納者の古谷重松(ふるやじゅうまつ 1830~91)は、幕末から明治期にかけて、所沢を中心として、その周辺特に東京都北多摩郡・南多摩郡一体に広まった「重松流祭囃子(じゅうまりゅうまつりばやし 重松囃子)」を創始した人物である。

絵馬に描かれているのは、初午の祭礼の様子を忠実に描写したと考えられる山車行列。描かれている大榊に結び付けられた短冊には、14か所の地名が記されている。これは当時重松流が伝承されていた地域(所沢市・入間市・三芳町・東村山市・清瀬市・小平市・武蔵村山市・立川市・瑞穂町)と考えられ、その1枚には「ふじさわ(入間市藤沢地区)」の地名も見える。

市域にも足跡を残した重松流祭囃子の様子と、当時の祭礼風俗を知るうえで貴重な資料である。

この資料は入間市博物館に寄託されており、久保稲荷神社の社務所には複製品が保管されている。(通常非公開)

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