3 円照寺裏墓跡出土蔵骨器及び板石塔婆付板石塔婆残欠6

更新日:2023年03月31日

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土の上にたくさんの石が転がっている写真

円照寺裏A墓址全景

土の上に置かれた文様の入った板碑の写真と土器の写真の二枚一組の写真

円照寺裏B墓址の建武元年銘板碑出土状況(左)と、板碑が添えられていた常滑焼の蔵骨器(右)

埼玉県指定文化財(考古資料・平成7年3月17日)

 元加治(もとかじ)駅のすぐ近くにある円照寺は、丹治(たんじ)姓の武蔵武士・丹党(たんとう)加治氏の菩提寺である。円照寺には、境内から出土した板碑が約40基所蔵されているが(国指定重要文化財「円照寺の板碑」参照)、境内裏(西側)の宅地からも、板碑や蔵骨器を伴う中世墓址が発見された。ここから出土した蔵骨器5点と板碑(板石塔婆)7基が県指定文化財に指定され、現在、入間市博物館に所蔵されている。
 墓址はA~Eの5つの墓域に区分され、A墓址では7つの主体部(墓穴)が、B墓址では建武元年(1334)銘の板碑を伴う常滑焼の蔵骨器が出土した。この遺跡から、円照寺の境内裏(西側)には板碑が立ち並ぶ墓域があったことが明らかとなった。また、板碑が蔵骨器に添えられて立っていたことから、塔婆としての役割とともに、墓石的な役割もあったことが推測され、板碑の役割の変化を考える上で貴重な遺跡となっている。また、建武元年銘の板碑を伴った蔵骨器は、焼成年代を知り得る常滑壺の基準資料としても貴重な資料である。

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